東京都写真美術館で、写真家・本城直季の初の大規模個展「本城直季 (un)real utopia」が開催中だ。


《Tokyo, Japan》2002(small planetシリーズより) © Naoki Honjo
本城直季といえば、大判カメラのアオリを利用して、都市の姿をジオラマのように撮影する独特の表現で知られる。生まれ育ったまちや世界に作りもののような違和感を覚え、この世界を知りたい、 俯瞰したいという思いを原動力に制作した作品は、まるでミニチュアの世界のようで、見る者にこの世界の実在と虚構を問いかけると同時に、被写体である「まち」や「ひと」に対する 作家のあたたかいまなざしを感じさせる。


《giraffe》2008(kenyaシリーズより) © Naoki Honjo


《steel mill, Kanagawa》2014(industryシリーズより) © Naoki Honjo
本展では、2007年に木村伊兵衛写真賞を受賞した「small planet」シリーズや、独自の表現を生み出すまでの試行期の作品など、約200点の作品を紹介。
アフリカのサバンナを切り取った「kenya」シリーズ、東日本大震災発生から3カ月後の東北を写した「tohoku 311」シリーズ、地上からは全容が窺いしれない工業地帯を空から覗いた 「industry」シリーズを初めて公開する。


《Tokyo, Japan》2021 © Naoki Honjo
さらに、本展のための特別な撮り下ろし作品も展示。オリンピックイヤーの東京の姿を2回にわたり撮影した作品は、私たちの現在地を象徴する日本のポートレートとも言える。
写真に写る“まち”は本当に存在しているのか、それとも作り物なのか、そこから見えてくる“まち”の姿とは……? なんとも不思議な感覚に陥る“本城直季ワールド”を、この機会に体感してみては。
◆本城直季 (un)real utopia
【会期】開催中~2022年5月15日(日)
【会場】東京都写真美術館 地下1階展示室
【開館時間】10:00~18:00(木・金は20:00まで)
※入館は閉館時間30分前まで
【休館日】毎週月曜日(月曜日が祝休日の場合は開館し、翌平日休館)、ただし5月2日(月)は開館
【入場料】一般1100円、学生900円、中高生・65歳以上550円
※オンラインによる日時指定予約を推奨。
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