京都国立博物館にて、特別展「河内長野の霊地 観心寺と金剛寺─真言密教と南朝の遺産─」が開催される。会期は2022年7月30日(土)~9月11日(日)まで。
観心寺と金剛寺は、かつて京都から高野山につづく街道の合流地点として栄え、この地域における信仰の中心を担ってきた、大阪・河内長野市にある真言密教の大寺院。本展では、京都国立博物館により平成28年度(2016)から令和元年度(2019)にかけて実施された両寺の文化財悉皆調査の成果を公開。従来から知られた名品に加え、調査によって発見された中近世の文化財を展示する。


重要文化財 藍韋威腹巻 室町時代(15~16世紀) 大阪・天野山金剛寺蔵 通期展示
見どころは、南朝勢力の拠点として重要な役割を果たし、今日でも、武将・楠木正成ゆかりの寺として多くの歴史ファンに親しまれている両寺に伝わる甲冑。楠木正成やその一族が着用、あるいは奉納したと伝わる重要文化財の甲冑、全22件を一挙に鑑賞できる、またとない機会となっている。


重要文化財 遊仙窟 鎌倉時代 元亨元年(1321) 大阪・天野山金剛寺蔵 通期展示


厨子入愛染明王坐像 鎌倉~南北朝時代(13~14世紀) 大阪・天野山金剛寺蔵 通期展示
さらに、失われていた部分が発見された重要文化財「遊仙窟」や、「厨子入愛染明王坐像」など、先ごろの調査で新たに発見された品々も公開。また、高野山に続く道中の巨大寺院として重要な位置にあったがゆえに集められた、優れた仏像や仏典なども展示。数々の寺宝が魅せる豊かな仏教美術の世界は、一見の価値ありだ。


重要文化財 伝宝生如来坐像(弥勒菩薩) 平安時代(9世紀) 大阪・観心寺蔵 通期展示 画像提供:公益財団法人美術院 撮影:金井杜道
このほかにも、後村上天皇の念持仏と伝わる仏像や、ゆかりの楽器など、動乱の世紀を物語る中世の遺物や、古代から近世にかけての貴重な文化財も展示。


重要文化財 大随求菩薩像 鎌倉時代(13世紀) 大阪・観心寺蔵 通期展示
近年「日本遺産」にも認定されるなど、歴史の息づく町、河内長野。両寺の文化財が物語るこの地の濃密な歴史と信仰に、是非触れてみてはいかがだろう。
◆特別展「河内長野の霊地 観心寺と金剛寺─真言密教と南朝の遺産─」
【会期】2022年7月30日(土)~9月11日(日)
【場所】京都国立博物館(京都市東山区茶屋町527)
【観覧料】一般 1200円、大学生 600円、高校生 300円
※前売券、団体券はありません。
※中学生以下、障害者の方とその介護者1名は無料(要証明)
※大学生、高校生の方は学生証をご提示ください
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