19世紀初頭に登場し急速に発展した写真と、その登場によって大きな影響を受けた版画。両者の深い関係を版画専門の美術館ならではの視点で見直す「版画×写真 1839-1900」展が、町田市立国際版画美術館にて開催される。会期は12月11日(日)まで。


オノレ・ドーミエ 《写真術を芸術の高みにまでひきあげるナダール》、1862年、リトグラフ、国立西洋美術館
本展は、世界初の写真術であるダゲレオタイプが公表された1839年を起点に、写真の技術が向上し印刷技術として実用化されていく19世紀末まで、版画と写真が支えあい競いあった関係を探るもの。


ジルー・ダゲレオタイプカメラ、1839年(後年のレプリカ)、横浜市民ギャラリーあざみ野


ダゲレオタイプを銅版画で複製したもの。 ノエル・ぺマル・ルルブール『ダゲリアンたちの世界旅行』より、1840-43年、銅版画、個人蔵
19世紀の写真史をはじめ、写真の技法を用いた版画&版画の技法を用いた写真など、版画と写真の境界がゆるやかだった時代のバラエティに富んだ作品、さらにタルボット、ル・グレイら黎明期を代表する写真家の名品と併せて、当時のカメラ、薬品、ポージング用の小道具などの立体資料も展示。写真の成り立ちをわかりやすく解説する。


“クリシェ・ヴェール”と呼ばれる、ガラス板に描画し印画紙に焼き付ける写真と版画のハイブリッドな技法を使った作品。 カミーユ・コロー《乙女と死》、1854年、クリシェ・ヴェール、町田市立国際版画美術館
何世紀にも渡ってイメージを写し伝える役割を担ってきた版画と、急速に発展し世界を大きく変えた写真。時に補いあい、時に競い合ってきた両者の関係性に目を向けてみてはいかがだろうか。
◆「版画×写真 1839-1900」
【会期】開催中~2022年12月11日(日)
【会場】町田市立国際版画美術館(東京都町田市原町田4-28-1)
【時間】 平日:10:00~17:00 (入場16:30まで)、土日祝:10:00~17:30 (入場17:00まで)
【休館日】月曜
【観覧料】 一般900(700)円、大・高生450(350)円、中学生以下無料
※( )内は20名以上の団体料金
※身体障がい者手帳、愛の手帳(療育手帳)または精神障がい者保健福祉手帳をご提示の方と付き添いの方1名は半額
【無料日・割引】
無料日: 文化の日:11月3日(木・祝)、シルバーデー(65歳以上の方は無料):10月26日(水)・11月23日(水・祝)
割引: ① 各展覧会共通=リピーター割引(200円引)
シェアサイクル割引、タクシー割引、パスポート割引、ウェブクーポン割引(100円引)
② 本展独自割引=SNS割引
※ツイッター、インスタグラム他各種SNSにて、「#町田市立国際版画美術館」のハッシュタグを付けてポスター、看板など本展のロゴが入った画像をシェアすると、観覧料が200円引き
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