国際的にも大きな注目を集めてきた「もの派」を代表する美術家、李禹煥。兵庫県立美術館の開館20周年を記念して、西日本では初となる大規模な回顧展「兵庫県立美術館開館20周年記念 李禹煥」が、2023年2月12日(日)まで開催される。


李禹煥、鎌倉にて、2022年 Photo©Lee Ufan, Photo by Shu Nakagawa
東洋と西洋のさまざまな思想や文学を貪欲に吸収した李は、 自然や人工の素材を節制の姿勢で組み合わせ提示する「もの派」と呼ばれる動向を牽引した作家として広く知られている。また、すべては相互関係のもとにあるという世界観を、視覚芸術だけでなく著述においても展開した。


《風景I,II,III》 1968/2015年 スプレーペイント/カンヴァス 個人蔵(群馬県立近代美術館寄託)
展示風景:「李禹煥 時を住まう」ポンピドゥー・センター=メス、メス、フランス、2019年2月27日-9月30日 ©ADAGP, Paris, 2022. ©Centre Pompidou-Metz / Photo Origins Studio


《関係項》 1968/2019年 石、鉄、ガラス 森美術館、東京 Photo by Kei Miyajima
本展では、李禹煥自身が展示構成を考案。セクションは大きく彫刻と絵画の2つに分かれ、主に石、鉄、ガラスを組み合わせた立体作品のシリーズや、初期の代表作である、カンヴァスにピンクの蛍光塗料を用いた三連画《風景I,II,III》(1968 年) など、最初期の1960年代の作品から最新作まで多彩な作品を展示。李の仕事と経過と性格を網羅的に浮き彫りにしていく。


《線より》 1977年 岩絵具、膠/カンヴァス 東京国立近代美術館


《点より》 1977年 岩絵具、膠/カンヴァス 東京国立近代美術館
また、俳優の中谷美紀がナビゲーターを務める音声ガイドにも注目だ。手持ちのスマートフォンから無料で利用できるガイドでは、鑑賞ポイントの案内や作家本人の解説、さらに李禹煥と中谷美紀との対話も楽しめる。
会期中には、李禹煥氏と各界識者による対談も予定しているとのこと。詳細は兵庫県立美術館の公式サイトに掲載されるので、興味のある方はこちらもチェックしてほしい。
◆「兵庫県立美術館開館20周年記念 李禹煥」
【会期】2022年12月13日(火)~2023年 2月12日(日)
【開館時間】10:00~18:00 ※入場は閉館の30分前まで
【休館日】月曜日、年末年始(12月31日~1月2日)
※ただし1月9日(月)は開館、1月10日(火)は休館
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