世界でもまれな写実絵画専門美術館、ホキ美術館にて、企画展「Let’s Travel! 絵の中を旅しよう!」が開催中。会期は5月28日(日)まで。


青木敏郎「プロバンスの農家」1985年
写実絵画とは、画家がありのままを描くことを基本に、それ以上の「存在」を描いたもの。1年に数点しか描くことができないほど緻密に作り上げた作品は、時に現実以上に感動を呼ぶ何かが込められている。


中西優多朗「夜の鴨川」2020年


森本草介「VÉZELAY」2010年
「Let’s Travel! 絵の中を旅しよう!」と題した本展では、日本のみならず世界各地の風景を描いた作品が集結。
霞ヶ浦の水面と空を描いた大畑稔浩の「仰光-霞ヶ浦」、京都の鴨川の夜を描き、繊細に波間を紡ぎ出す作者の感度の鋭さを感じる中西優多朗の「夜の鴨川」、ブルゴーニュのヴェズレーの丘の広がりを、極端に横長の構図で描いた森本草介「VEZELAY」など、コロナ禍による閉塞感が漂うなか、作品を通して旅行気分を味わうことができる。このほか、ホキ美術館が3年に1度のペースで行っている40歳以下の公募展「ホキ美術館大賞展」も、2月27日(月)まで同時開催されている。


約60名の現代作家による写実の名品、約150点を常時展示するホキ美術館は、建物自体もみどころだ。緑豊かな公園に面した地上1階、地下2階の三層式の建物は、一部が宙に浮いているようなユニークな構造。また計500メートルにわたる回廊は、作品鑑賞に集中できるようにとピクチャーレールや壁のつなぎ目をなくしたほか、全館にLED照明を採用し、作品にやわらかい光があたるような演出がされている。
また、1階には地元の新鮮食材を使ったイタリアンレストラン「はなう」もあり、アート鑑賞とグルメの両方を楽しめるのもいい。
写真と見まごうほど繊細な筆致に、思わず息を呑む写実絵画。瞬時にデジタル写真が撮れる時代にあって近年注目を集めるその世界に、ぜひ触れてみてはいかがだろうか。
◆「Let’s Travel! 絵の中を旅しよう!」
【会期】開催中~5月21日(日)
【会場】ホキ美術館(千葉県千葉市緑区あすみが丘東3-15)
【展覧会会場】ギャラリー1
【開館時間】10:00~17:30(最終入場は17:00)
【休館日】火曜日(※火曜日が祝日の場合は営業)
【入館料】一般 1,830円、65歳以上 1,320円、高校生・大学生 1,320円、中学生 910円、小学生以下 760円(保護者1人につき2人まで無料)
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