原美術館 ARCにて「青空は、太陽の反対側にある」が開催される。会期は、第1期(春夏季)が3月24日(金)から9月3日(日)、第2期(秋冬季)が9月9日(土)から2024年1月8日(月曜・祝)まで。通常は東京国立博物館に寄託している国宝『青磁下蕪花瓶』と『青磁袴 腰香炉』が里帰りするほか、「光悦本」と呼ばれる希少な古活字本『謡本』も展示される。


やなぎみわ『My Grandmothers: AI』2003年 ライトジェットプリント 180.0×240.0cm ©Miwa Yanagi ※第1期展示
榛名山の麓に位置し、磯崎新が建築を手がけたことでも知られる原美術館 ARC。雲ひとつない晴れた日にここを訪れると、まず目に入るのが大きな青空だ。本展は、作品制作や鑑賞のあり方の一端を表す言葉をこの豊かな自然環境に求め、「青空は、太陽の反対側にある」をキーフレーズに、自身の理想を求めて当時の美術的・社会的動向に背を向けた荒川修作や久保田成子、ギルバート&ジョージやヨーゼフ ボイスなど、国内外の作家の表現を展観する。


横尾忠則『戦後』1985年 セラミックにシルクスクリーン 240.0 x 240.0cm © Tadanori Yokoo ※第1期展示
現代美術ギャラリーA、B、C では、当時の“女性アーティスト”の枠に囚われず彫刻表現を拡張した久保田成子や、美術の伝統的価値に異を唱えた「反芸術」の作家など、原美術館 ARCが40余年の歳月をかけ収集した現代美術家の作品を紹介。


司馬江漢『冨嶽図』江戸時代 絹本著色 142.2 x 81.1cm ※第2期展示予定
一方、特別展示室 観海庵では、鎖国の江戸期に西洋絵画や科学に傾倒した司馬江漢や、「朦朧体」と揶揄されながらも墨線を否定し、独自の表現を切り開いた横山大観の作品を展示。


『青磁下蕪花瓶』南宋時代 磁器 撮影:上野則宏 ※第1期 前期展示(2023年3月24日から4月26日)


『青磁袴腰香炉』年代不詳 磁器 ※第1期 前期展示(2023年3月24日から4月26日)
さらに通常は東京国立博物館に寄託している原六郎コレクション『青磁下蕪花瓶』(国宝)、『青磁袴腰香炉』が里帰り。爽やかな青が美しい2つの名品が、3月24日(金)から4月26日(水)まで展示される。
このほか「光悦本」と呼ばれる希少な古活字本である『謡本』を、帖を替えながら通年展示。記録に残る限りでは、『青磁袴腰香炉』は明治45年に東京帝室博物館(現 東京国立博物館)開催の特別展覧会「和漢青磁器」展以来の一般公開、『謡本』は初公開されるという。
陽光きらめく季節だが、あえて輝く太陽に背を向け、順光に映し出される鮮やかな青空と原美術館 ARCを堪能してみてはいかが。
◆「青空は、太陽の反対側にある:原美術館/原六郎コレクション」
【会期】 第1期(春夏季) 3月24日(金)~9月3日(日)
※『青磁下蕪花瓶』および『青磁袴腰香炉』の展示は 2023年3月24日(金)~4月26日(水) 第2期(秋冬季) 9月9日(土)~2024年1月8日(月・祝)
※特別展示室・觀海庵は会期中展示替えがあります
【会場】原美術館 ARC(群馬県渋川市金井 2855-1)
【開館時間】9:30~16:30(入館は16:00まで)
【休館日】木曜日(祝日を除く)、1月1日、8月中無休
※2024年1月9日(火)~3月中旬まで冬季休館
【入館料】 一般 1,800円、大高生 1,000円、小中生 800円
※原美術館 ARC メンバーシップ会員は無料、学期中の土曜日は群馬県内の小中学生の入館無料、各種割引あり。
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