近年その画業が再評価されている幕末土佐の絵師、絵金の大規模展覧会「幕末土佐の天才絵師 絵金」が、4月22日(土)から6月18日(日)まで、あべのハルカス美術館にて開催される。


伊達競阿国戯場 累(高知県指定文化財)二曲一隻屏風・紙本彩色 香南市赤岡町本町二区 ※後期展示(5/23~6/18)
絵金とは、幕末から明治初期にかけて数多くの芝居絵屏風や絵馬提灯、五月の節句の幟などを手がけ、 地元高知で 「絵金さん」の愛称で親しまれてきた絵師、金蔵のこと。約200点現存する芝居絵屏風のほとんどは、神社、あるいは自治会や町内会、公民館などに分蔵されているため、作品をまとまった形で鑑賞できる機会はめったになく、代表作をはじめとして約100点の作品が集結する本展は貴重な機会といえるだろう。


浮世柄比翼稲妻 鈴ヶ森(高知県指定文化財)二曲一隻屏風・紙本彩色 香南市赤岡町本町一区 ※前期展示(4/22~5/21)
3章構成の展覧会の第1章では、絵金の基準作・最高傑作として名高い、香南市赤岡町の4つの地区が所蔵(絵金蔵所管)する芝居絵屏風や、故事人物を狩野派の画風で描いた作品、土佐を襲った大震災を描いた画帖など、多様な作品を紹介。


朝倉神社 夏祭り(撮影:2022年7月24日)


釜淵双級巴 第十二 絵馬提灯・紙本彩色 創造広場「アクトランド」
続く第2章では、夏祭りに芝居絵屏風を飾る神社の絵馬台(台提灯)を展示室内に再現。また、高知の夏祭りのもうひとつの風物詩、絵馬提灯も展示する。
第3章では、屏風や絵巻、軸物以外の絵金の作品と、土佐きっての知識人であった河田小龍、野口左巌など、絵金と深い関わりのあった絵師の作品を展覧。 また、絵金の基準作となる貴重な作品であり、俳句とともに絵金の号「友竹」が書きつけられている「近江源氏先陣館 盛綱陣屋」も展示される。


花衣いろは縁起 鷲(高知県保護有形文化財) 二曲一隻屏風・紙本彩色 香南市赤岡町本町二区 ※後期展示(5/23~6/18)
音声ガイドナビゲーターには、歌舞伎俳優の中村七之助さんが就任。南国土佐の人々の心を揺さぶった絵金の芝居絵の見どころを、臨場感たっぷりにナビゲートしてくれるという。
見るものに鮮烈な印象を残す絵金の作品。類いまれなる個性とその魅力に、酔いしれてはいかがだろうか。
◆「幕末土佐の天才絵師 絵金」
【会場】あべのハルカス美術館(大阪市阿倍野区阿倍野筋1-1-43 あべのハルカス16F)
【会期】2023年4月22日(土)~6月18日(日)
【休館日】4月24日、5月8日、22日の各月曜日
※会期中、展示替え有り。(前期4/22~5/21、後期5/23~6/18)
【開館時間】火~金 10:00~20:00、月土日祝 10:00~18:00(入館は閉館30分前まで)
【観覧料】一般 1,600円、大高生 1,200円、中小生 500円
※障がい者手帳をお持ちの方は、美術館チケットカウンターで購入されたご本人と付き添いの方1名様まで当日料金の半額。
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