織田信長の弟にして大茶人である織田有楽斎(おだうらくさい)ゆかりの品々を通じて、その人物像に迫る特別展「大名茶人 織田有楽斎」が、2023年6月25日(日)まで京都文化博物館で開催中。本展は、有楽斎の四百年遠忌にあたり、有楽斎が再興し隠棲した正伝永源院に伝わる文化財を再調査して得られた知見をもとに、織田有楽斎という人物を今一度捉え直す内容となっている。


古澗慈稽賛・狩野山楽筆 織田有楽斎像 正伝永源院蔵【4/22〜5/21展示】
織田信秀の子、信長の弟として誕生した有楽斎こと織田長益は、信長、秀吉、家康のもと武将として活躍。晩年には京都・建仁寺の塔頭である正伝院を再興。正伝院に茶室「如庵」を造営し名僧や武将らと茶会を開くなど、75年の生涯を閉じるまで茶道三昧の生活を送ったという。本展では、様々な歴史資料を通して武将・ 織田長益の真の姿に迫るほか、茶人や文化人として活躍した彼の交友関係を紹介。


大井戸茶碗 有楽井戸 東京国立博物館蔵 Image:TNM Image Archives
さらに、国宝「短刀 無銘 貞宗(名物寺沢貞宗)」(第1章)のほか、寂びの茶碗の代表格として有名な大井戸茶碗のうち、五指に入るという定評が与えられている「大井戸茶碗 有楽井戸」、「三島筒茶碗 銘 藤袴」(ともに第3章)など、有楽斎ゆかりの刀や茶道具の名品を通じて有楽斎の美意識を紹介する。


長谷川等伯 旧正伝院書院障壁画のうち山水図(部分)名古屋鉄道株式会社【5/23〜6/25展示】
また、安土桃山時代を代表する画家・狩野永徳の有力な門人で、京狩野初代・狩野山楽(1559~1635)による「織田長益(有楽斎)像」(第2章)や「鍾馗図(しょうきず)」、「蓮鷺図襖(れんろずふすま)」(以上 第4章)ほか、安土桃山の美を感じられる作品も展示。長谷川等伯筆「旧正伝院書院障壁画のうち山水図」ほか、織田有楽斎が再興した正伝院の書院を飾っていた障壁画が一堂に揃うのも見どころだ。


富岡鉄斎 如庵図 正伝永源院蔵
戦国の世に生を受け、織田家の血筋として時の政治に利用されながらも、武将として、文化人として生き抜き、新たな文化創造をなした有楽斎。その心中には、どのような思いがあったのか。歴史資料やゆかりの品々を通じて、思いを馳せてみてはいかがだろうか。
◆四百年遠忌記念特別展「大名茶人 織田有楽斎」
【会期】開催中~2023年6月25日(日)
【会場】京都文化博物館(京都市中京区三条高倉)
【開室時間】10:00~18:00(金曜日~19:30)※入場は閉室30分前まで
【休館日】月曜日
【入場料】一般 1,600円、大高生 1,000円、中小生 500円
※未就学児は無料(ただし、要保護者同伴)
※障がい者手帳などを提示した方と付き添い1名まで無料
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