東京ステーションギャラリーにて、大正画壇の異才・甲斐荘楠音(かいのしょうただおと)の26年ぶりとなる回顧展「甲斐荘楠音の全貌 絵画、演劇、映画を越境する個性」が開催中。会期は2023年8月27日(日)まで。


《女人像》1920年頃、個人蔵
謎多き「あやしい画家」から「多面的な個性をもった不世出の表現者」へ——。本展は、戦前の画壇で高い評価を受けるも、1940年頃に画業を中断し映画業界に転身し、芝居を愛し、自らも演じることに興じた甲斐荘の全貌に、過去最大のスケールで迫る展覧会。


スケッチブック、個人蔵
会場には京都国立近代美術館をはじめ、国内外に所蔵される甲斐荘の代表的な作品群が一堂に集結。さらに創作の裏側を物語る写真やスケッチ、未公開のスクラップブック、後半生に手掛けた知られざる映画衣裳まで、甲斐荘に関する作品や資料のすべてを等しく展示する。


『旗本退屈男 謎の幽霊島』衣裳、東映京都撮影所 ©東映(映画公開:1960年、監督:佐々木康、製作・配給元:東映株式会社、衣裳着用者:市川右太衛門)
必見は、海を越えて来日した作品だ。メトロポリタン美術館から凱旋した甲斐荘の昭和初期の傑作《春》や、パリのシネマテーク・フランセーズからやって来た、甲斐荘が『雨月物語』(溝口健二監督・1953年)のために考案し、アカデミー賞衣裳デザイン賞にノミネートされた衣裳など、過去最大の回顧展にふさわしい貴重な作品の数々を、東京で鑑賞することができる。


《畜生塚》の前でポーズする楠音、1915年頃、京都国立近代美術館
さまざまな芸術の境界線を越える「複雑かつ多面的な個性をもった表現者」として、甲斐荘を再定義する展覧会。知られざる彼の「越境性」に、ぜひ注目してみてはいかがだろうか。
◆「甲斐荘楠音の全貌 絵画、演劇、映画を越境する個性」
【会期】開催中~2023年8月27日(日)
※会期中、展示替えを実施[前期7月1日~7月30日、後期8月1日~8月27日]
【会場】東京ステーションギャラリー(東京都千代田区丸の内1-9-1)
【時間】10:00~18:00(金曜日~20:00)
※入館は閉館30分前まで
【休館日】月曜(7月17日、8月14日、8月21日は開館)、7月18日(火)
【観覧料】一般 1,400円、高校・大学生 1,200円、中学生以下無料
※障がい者手帳等持参の方は100円引き[介添者1名は無料]
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