三井越後屋が延宝元年(1673)に開店し、2023年で350年を迎えるのを記念して、 特別展「三井高利と越後屋―三井家創業期の事業と文化―」が開催中。会期は8月31日(木)まで。
本展覧会は、のちの三井財閥・三井グループの礎となった三井家創業期の事業や、黎明期の三井家の人々にまつわる文化活動を、歴史資料や美術工芸品を通じて紹介するもの。


三井高利夫妻像 江戸時代・17世紀 個人蔵


赤楽茶碗 銘再来 樂道入作 三井高利所持 江戸時代・17世紀 三井記念美術館蔵
高安の名乗った「三井越後守」と書かれた唯一現存する資料や、高利夫妻を描いた肖像画など、創業以前から黎明期にかけての人物の足跡を辿るほか、高利の茶の湯に関する唯一の遺品で、濃茶を点てたという「赤楽茶碗(銘再来)」や、高利が着用した「十徳」などの愛用品も展示。


重要文化財 唐物肩衝茶入 北野肩衝 南宋時代・12~13世紀 三井記念美術館蔵


珠光青磁茶碗 銘波瀾 南宋~元時代・12~13世紀 三井記念美術館蔵
また、重要文化財の「唐物肩衝茶入(北野肩衝)」をはじめ、急成長を遂げた時期に収集した名物茶道具も数多く紹介。茶道具の名品を所有することがステイタスでもあった当時の動きを、名物茶道具や道具帳などから垣間見ることができる。


伊勢参詣曼荼羅 江戸時代・17世紀 三井文庫蔵
さらに「三井家と神々」にも焦点を当て、福の神や伊勢神宮、三囲(みめぐり)稲荷、先祖を祀る顕名(あきな)霊社など、信仰にかかわる資料を展示。 主に、江戸時代の三井家における神々への信仰のあり方を紹介する。


大元方勘定目録 江戸時代・18世紀(元文期) 三井文庫蔵
このほかにも、三井の家法「宗竺遺書(そうちくいしょ)」や分厚い経営帳簿など、ビジネスにかかわる記録類や物品も展示。これまで一般の目に触れる機会の少なかった歴史資料が数多く並び、江戸時代最大級の豪商、三井の世界をより深く知ることができる内容となっている。
◆越後屋開業 350 年記念特別展 「三井高利と越後屋―三井家創業期の事業と文化―」
【会期】開催中~2023年8月31日(木)
【会場】三井記念美術館(東京都中央区日本橋室町2-1-1 三井本館7階)
【開館時間】10:00~17:00(入館は16:30まで)
【休館日】月曜日(※但し8月14日は開館)
【入館料】一般 1,000円(800)円、大学・高校生 500(400)円、中学生以下無料
※70歳以上の方は800円(要証明)
※ リピーター割引:会期中、一般券、学生券の半券の提示で、2回目以降は( )内割引料金となります。
※ 障害者手帳をご呈示いただいた方、およびその介護者1名は無料。
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