箱根の岡田美術館では、歌川広重「東海道五十三次」(保永堂版)を中心とした特別展『「東海道五十三次」で旅気分 ―富士に琳派に若冲も―』を開催中。会期は12月8日(日)まで。
(左)歌川広重「東海道五十三次 日本橋 朝之景」江戸時代 天保4~5年(1833~34) 岡田美術館蔵 ※前期展示
(右)歌川広重「東海道五十三次 京師 三條大橋」江戸時代 天保4~5年(1833~34) 岡田美術館蔵 ※後期展示
伊藤若冲「雪中雄鶏図」(部分)江戸時代中期 18世紀後半 岡田美術館蔵
東海道五十三次の最後の宿場、庄野宿の完成から400年、また箱根駅伝第100回という節目の年を祝して行われる本展では、富士山を描いた絵画の名品や、京都の人気絵師・伊藤若冲と円山応挙、さらに広重と同時代を生きた江戸琳派の鈴木其一らの作品もあわせて公開。江戸・日本橋からはじまり最後は京都・三条大橋まで、東海道を旅するような気分で鑑賞できる。
歌川広重「東海道五十三次 原 朝之富士」江戸時代 天保4~5年(1833~34) 岡田美術館蔵 ※後期展示
横山大観「霊峰一文字」(部分)大正15年(1926) 岡田美術館蔵
さらに、今も昔も万人に愛され尊敬を集める富士山に注目。富士山が描かれた「東海道五十三次」の作品や、歌川広重が湯本からほど近い塔の沢と芦ノ湖を描いた肉筆画のほか、長さ約9mにも及ぶ横山大観の傑作「霊峰一文字」が特別公開されるのも見逃せない。
(左)歌川広重「東海道五十三次 岡部 宇津之山」江戸時代 天保4~5年(1833~34) 岡田美術館蔵 ※後期展示
(右)歌川広重「東海道五十三次 草津 名物立場」江戸時代 天保4~5年(1833~34) 岡田美術館蔵 ※前期展示
このほか名所旧跡だけでなく、各地の名産品も描かれた「東海道五十三次」のガイドブックとしての役割にもフォーカス。当時の人々の絶大な支持を集めた理由にも迫る。
狩野邦信「源氏物語図屏風」(部分)江戸時代後期 19世紀前半 岡田美術館蔵 ※前期・後期に分けて一隻ずつ展示
また本展会期中は、特集展示「源氏物語の世界」も開催。江戸時代には『源氏物語』に分かりやすい注釈を加えた書物やパロディ本が出版され、庶民にまで浸透したことから、美術においても多彩な作品が生まれている。本特集では、これら『源氏物語』にゆかりのある絵画・工芸作品10数件を紹介。大河ドラマでも話題の「源氏物語の世界」を楽しむことができる。
◆「東海道五十三次」で旅気分 ―富士に琳派に若冲も―
【会期】
前期:開催中~2024年9月12日(木)
後期:2024年9月13日(金)~12月8日(日)
【休館日】会期中無休
【場所】岡田美術館(神奈川県足柄下郡箱根町小涌谷493-1】
【開館時間】9:00~17:00(入館は16:30まで)
【入館料】一般・大学生 2,800円、小中高生 1,800円
※「東海道五十三次」全55枚は、前期・後期に分けて展示。
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