今秋で開館5周年を迎える京都・嵯峨嵐山の福田美術館にて、若冲ファン垂涎の名品を一挙展示する「京都の嵐山に舞い降りた奇跡!! 伊藤若冲の激レアな巻物が世界初公開されるってマジ?!」が開催される。会期は10月12日(土)から2025年1月19日(日)まで。
伊藤若冲《果蔬図巻》(部分) (1790年以前)福田美術館蔵
目玉は、世界初公開される極彩色の「激レア」な巻物、果蔬図巻。これは、様々な野菜や果物が描かれた約3メートルの絹地を巻物に仕立てた作品。巻末には、相国寺の僧侶で若冲が40~50代の頃に親しく交流した梅荘顕常/(大典)が書いた跋文(ばつぶん)が付けられており、若冲の絵を絶賛するとともに、本作が浪華(現・大阪)の森玄郷という人物から依頼されたものであることなどを伝えている。
伊藤若冲 下絵・梅荘顕常 賛《乗興舟》(1767年)福田美術館蔵
さらに、新たに福田コレクションに加わった《乗興舟》も見逃せない。こちらは幅28cm、長さ9mを越える長尺の絵巻で、若冲が50代の頃の「拓版画」の作品。若冲と大典が、京都の伏見から大阪まで川下りをした淀川沿いの風景に大典の漢詩が添えられており、美しいぼかしやグラデーションも見どころだ。
伊藤若冲《蕪に双鶏図》 (18世紀)福田美術館蔵
鶴亭浄光《蕃椒図》(18世紀)福田美術館蔵
円山応挙《虎図》(1786年)福田美術館蔵
このほかにも、若冲最初期の作品《蕪に双鶏図》をはじめとする初期から晩年までの優品およそ30点を一堂に展示するとともに、若冲が影響を受けた中国人画家・沈南蘋(しんなんぴん)やその弟子の熊斐(ゆうひ)、さらには、同時期に京・大阪で活躍した画家・円山応挙や曽我蕭白(そがしょうはく)にも焦点を当てている。
若冲愛好家はもちろん、美術にそれほど詳しくなくても若冲の魅力を存分に感じ取れる展覧会。ぜひ足を運んでみてはいかがだろうか。
◆開館5周年記念 「京都の嵐山に舞い降りた奇跡!! 伊藤若冲の激レアな巻物が世界初公開されるってマジ?!」(略称:若冲激レア展)
【会期】2024年10月12日(土)~2025年1月19日(日)
※12月3日(火)に《鶏図押絵貼屏風》の右隻、左隻を入れ替え。
【会場】福田美術館(京都府京都市右京区嵯峨天龍寺芒ノ馬場町3-16)
【開館時間】10:00~17:00(最終入館 16:30)
【休館日】12月3日(火)、12月30日(月)~2025年1月1日(水)
【料金】一般・大学生 1,500円、高校生 900円、小・中学生 500円
*障がい者と介添人1名まで各900円
*幼児無料
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