2020年に惜しまれつつ逝去したファッション・デザイナー、髙田賢三の没後初の大規模回顧展「髙田賢三展」が、姫路市立美術館にて7月21日(月・祝)まで開催されている。


ブラウス、スカート blouse, skirt 1994 姫路市立美術館 Himeji City Museum of Art ©福永一夫


プルオーバー pullover 1970-1971AW KENZO PARIS ©Kenzo Heritage, Photo by Elie Bianco
斬新なアイデアと日本人ならではの感性を武器に、常識を打ち破るスタイルを次々と発表してきた髙田賢三。1970年にパリで自身のブランドを立ち上げた彼は、直線裁ちの着物袖やダーツを省いたゆとりあるフォルムや、鮮やかな色使いや大胆な柄の組み合わせなど、従来の西欧中心のファッションの枠組みにとらわれない新たな衣服を提案し続けた。


ブラウス、スカート blouse, skirt 1976SS KENZO PARIS ©Kenzo Heritage, Photo by Elie Bianco
本展では「日本のきれ」を使った初期の作品から、世界各地の民族衣装に着想を得たフォークロア作品までを一堂に展示。さらに、幼少期から描いていた絵画や、創作の源泉となった資料、衣装のデザイン画なども紹介し、日本人デザイナーの先駆者として世界で活躍した髙田賢三の人物像に多角的に迫っている。


ドレス dress 1982-1983AW ©Kazuko Masui
さらに、日本を代表するモデル、山口小夜子が纏ったマリエ(ウェディングドレス)も登場。およそ20年にわたって集めたリボンを用いて制作されたこの大作は、ドレスそのものに加え、制作過程を記録した写真資料とともに展示されている。


ベスト、スカート vest, skirt 1994 姫路市立美術館 Himeji City Museum of Art ©福永一夫
このほか、KENZOブランドを受け継ぐ現クリエイティブディレクター・NIGO氏の作品や、髙田が晩年を過ごしたバスティーユの旧邸のクローズアップ展示も。パリ市長アンヌ・イダルゴ氏からは「最もパリらしい日本人デザイナーのひとり」との賛辞が寄せられ、彼の名を刻んだ銘板がギャルリー・ヴィヴィエンヌ前に設置されるなど、その功績は今なお世界的に称賛されている。


カーディガン、スカート cardigan, skirt 1988-1989AW KENZO PARIS ©Kenzo Heritage, Photo by Elie Bianco
髙田賢三の生まれ故郷、姫路で開催されるこの回顧展は、稀代のクリエイターの生涯にわたる創作活動に、あらためて触れることのできる貴重な機会となるだろう。
◆「大阪・関西万博記念事業 髙田賢三展 パリに燃ゆ、永遠の革命児」
【会期】開催中~2025年7月21日(月・祝)
【開館時間】10:00~17:00(※入場は16:30まで)
【休館日】月曜日(※ただし月曜祝日の場合は翌平日閉館)
【会場】姫路市立美術館(兵庫県姫路市本町68-25)
【観覧料】一般 1,500円、大学・高校生 1,100円、中学・小学生 800円
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