2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催を目前に、日本文化へ対する興味や注目が集まる中、遠いヨーロッパの地で奈良の名宝を一挙に公開する展覧会が企画されている。奈良の寺社を訪れなければ対面できない国宝級の仏像や美術品の数々が全19点も海を渡り、英国・大英博物館で展示されることが決まった。


不空羂索観音二神将像 大英博物館 絹本著色 鎌倉時代(12~13世紀)
©Trustees of the British Museum
2019年10月3日(木)から11月24日(日)まで、イギリス・ロンドンの大英博物館で開催される展覧会“Nara : sacred images from early Japan”「奈良-日本の信仰と美のはじまり」展では、飛鳥時代や奈良時代の仏像を中心とした名宝と、大英博物館が所有する日本コレクションを一挙に公開する。奈良から特別に運ばれるのは、法隆寺の夢違観音や東大寺の誕生釈迦仏立像及び灌仏盤など、国宝5件を含む19点。これだけの数の奈良の名宝が海外で公開されるのは、初の試みとなる。


国宝 観音菩薩立像(夢違観音) 法隆寺 銅造鍍金 飛鳥時代(7~8世紀)
画像提供:奈良国立博物館 撮影:佐々木香輔
日本はじまりの地と言われる奈良は、世界最古の木造建築物群を有する法隆寺や、正倉院のある東大寺など、7世紀から8世紀に創建された古刹、名刹がひしめく宗教美術の聖地である。本展では、大英博物館が所蔵する日本コレクションの中から、奈良に関連するものを厳選して展示。法隆寺金堂の壁画を焼失前の明治期に模写した作品など、同時代の仏像と一緒に鑑賞することで、日本の黎明期の空気をより鮮明に感じることができる。1300年の時を超えてたたずむ仏像の姿は、異なる文化の地に、日本の宗教文化の高い精神性を伝えてくれるだろう。
◆“Nara : sacred images from early Japan”
「奈良-日本の信仰と美のはじまり」
2019年10月3日(木)~11月24日(日)
英国 ロンドン 大英博物館
https://www.britishmuseum.org/
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