興福寺中金堂落慶法要献茶式より。Photography by Tadayuki Minamoto

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もしも天平に茶の湯があったなら~千 宗屋の茶の世界

2019.12.3

千 宗屋好み、「爲三郎記念館 特別展 茶―祈りと楽しみ―」開催中

興福寺中金堂落慶法要献茶式より。Photography by Tadayuki Minamoto

2018年10月、奈良・興福寺の中金堂が300年ぶりに再建された。中金堂の再建は、興福寺が創建された奈良・天平時代の文化空間を再現するという壮大な計画なプロジェクト。5日間にわたり落慶法要が営まれ、献茶式は武者小路千家 家元後嗣 千 宗屋(せん そうおく)が担当した。

 

2019年8月末に退任した多川俊映(たがわしゅんえい)・前貫首から「天平時代のお茶を考えて欲しい」とのリクエストを受けた千 宗屋は、“まだ茶の湯が確立していなかった天平時代に、もしも茶事が行われたなら”という仮定のもと、千が信頼を置く現代作家とともに、新たな道具作りを行った。

 

千が道具作りを託した作家は、塗師の赤木明登、焼物師の加藤亮太郎、指物師の佃 眞吾、焼物師の津田清和、金物師の長谷川清吉の5名。その作品は千が奉献した興福寺中金堂落慶法要献茶式を見事に彩り、その後、興福寺に献納された。

興福寺中金堂落慶法要献茶道具一式。Photography by Tadayuki Minamoto 興福寺中金堂落慶法要献茶道具一式。Photography by Tadayuki Minamoto

興福寺中金堂落慶法要献茶道具一式。Photography by Tadayuki Minamoto

これらの茶道具が、名古屋の古川美術館分館、爲三郎(ためさぶろう)記念館にて開催中の「爲三郎記念館 特別展 茶―祈りと楽しみ―」にて、初公開されている(12月8日(日)まで)。歴史的な役割を果たし、千 宗屋好みとして未来へと伝えられる貴重な茶道具を間近に拝見できる絶好の機会となる。


「爲三郎記念館 特別展 茶ー祈りと楽しみー」の様子。Photography by ? Furukawa Art Museum 「爲三郎記念館 特別展 茶ー祈りと楽しみー」の様子。Photography by ? Furukawa Art Museum

「爲三郎記念館 特別展 茶―祈りと楽しみ―」の様子。Photography by ⓒ Furukawa Art Museum

会場は、明治の大実業家で、自身のコレクションを展示する古川美術館の初代館長を務めた古川爲三郎の私邸として昭和9年に建てられた「爲春亭(いしゅんてい)」。現在、爲三郎記念館として公開されている美しい数寄屋造りの空間で、千のプロデュースによる現代の茶の湯の世界に心ゆくまで浸ることができる。

◆「爲三郎記念館 特別展 茶―祈りと楽しみ―」
千 宗屋好み 興福寺中金堂献茶道具初公開
2019年12月8日(日)まで
10時〜17時(入館は16時30分まで)
休館日:月曜日
入館料:大人1000円(古川美術館・爲三郎記念館2館共通)
ギャラリートーク:12月4日(水)15時〜 参加費無料(入館券必要)
爲三郎記念館(古川美術館 分館)
名古屋市千種区池下町2-50 TEL 052(763)1991
http://www.furukawa-museum.or.jp/memorial

Text by Naoko Ando

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