デンマークの王立陶磁器窯として長い歴史を持つロイヤルコペンハーゲン。ブルーフルーテッドなど、ブランドを代表するシリーズがいくつかあるが、その中で最高峰と言われるのはデンマークの花を意味する“フローラ ダニカ”シリーズだ。オーバーグレーズ技法によって季節の花を描き、24金彩で縁取られた豪華なもので、ロシアの女帝エカテリーナ2世へ献上するために1790年に制作されてから今年で230周年となる。


「望」野点小箪笥は、ローザメントーサのデザートプレート、ビオラとラナンキュラスのティーカップ&ソーサーなど、2名用の揃えとなっている。写真提供:家庭画報
デンマークの工芸史や政治、外交の歴史にも大きな影響を与えてきたフローラ ダニカの記念すべき年となる2020年。いくつかメモリアルな作品の制作が発表されているが、日本でも香川県の伝統工芸、香川漆芸の華麗な装飾技法を活かした「望(のぞみ)」シリーズの野点小箪笥と野点茶櫃を制作する。


フローラ ダニカのモカカップ5点と茶筒や菓子盆をセットにした「望」野点茶櫃。
監修を担当するのは蒟醤(きんま:何回も塗り重ねた上にケンで文様を線彫りしてそのくぼみに色漆を象嵌する技法)の保持者として人間国宝に認定されている山下義人。さらに、彫漆(ちょうしつ)、蒟醤(きんま)、存清(ぞんせい)という香川漆芸の三技法を現在に伝える第一線の職人達が、小箪笥や茶櫃の装飾を手掛けている。伝統的な技法を大切に受け継ぎ、伝えていく強い思いは、香川漆芸とロイヤルコペンハーゲンの双方に通じるものがある。野に咲く花や植物たちに向ける視線も、18世紀に植物図鑑を描いた高松藩と植物大図鑑『フローラ ダニカ』を編纂したデンマーク王室とで共通する点と言えるだろう。


野点茶櫃のモカカップは、春から夏に咲く小さな花が描かれている。写真提供:家庭画報
素朴な野の花を描きつつ贅を尽くしたフローラ ダニカと、香川漆芸の繊細で華やかな装飾技術がコラボレーションした今作には、「望」という名の通り、日本とデンマークの最高の技と美が集結し両国の未来への希望が込められた。世代を超えて受け継がれるべき名品となるだろう。
(敬称略)
◆Flora Danica<フローラ ダニカ> 230周年記念 「望」 野点小箪笥 (のぞみ のだてこだんす)
税込価格3,520,000 円(税抜3,200,000円)
フローラ ダニカ ティーポット1点、ティーカップ& ソーサー 2客、
デザートプレート(19㎝)2点、小箪笥、茶筒、リネン ティーナプキン2組、ロイヤル コペンハーゲンジャム、紅茶各1点付き
◆Flora Danica<フローラ ダニカ> 230周年記念 「望」 野点茶櫃 (のぞみ のだてちゃびつ)
税込価格2,200,000 円(税抜2,000,000円)
フローラ ダニカ モカカップ5点、茶櫃、茶筒、菓子盆、茶托 5点
「望」野点小箪笥、「望」野点茶櫃は各5点までの完全受注生産。
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