シャンパン界の帝王と呼ばれる醸造家が日本の酒に魅了され、日本人にはない発想で新たな日本酒の世界を開拓している。富山県立山町白岩の地を舞台に、「IWA」という新たな日本酒ブランドを立ち上げたリシャール・ジョフロワは、28年という長きにわたりドン ペリニヨンの5代目醸造最高責任者を務めた巨匠。彼が日本で最初に手がけた日本酒が「IWA5」だ。


ジョフロワが新たな日本酒を生み出す場所として選んだのは、深い雪に覆われ、日本アルプスの清らかな伏流水に恵まれた白岩の地。
味や香りなどの要素が際立つ数種類の酒を醸造し、それらをブレンドして1本の酒に仕上げるという手法は、長年シャンパン造りに携わっていたジョフロワならではの発想と言える。異なる産地で栽培された山田錦や五百万石などの酒米を原料に5種類の酵母によって数種類の酒を造り、それらの個性を引き出したり抑えたりしながら1つの味わいへと導く。「IWA5」というハーモニーを紡ぎ出したジョフロワは、まるでオーケストラのコンダクターのようだ。


雄大な立山連峰を望む富山県立山町白岩。この地に建築家・隈研吾の設計によるコンテンポラリーな酒蔵「白岩」が2021年完成する。
ベルベットに似た質感のボトルは、プロダクトデザイナーのマーク・ニューソンによるデザイン。書道家の木下真理子とアートディレクター中島秀樹によるラベルデザインが躍動感を与えている。さらに、2021年春には白岩の地に酒蔵がオープンする予定で、設計を手掛けているのは建築家の隈研吾だ。ジョフロワと富山の老舗蔵元を引き合わせた隈は、酒蔵がこの土地の風景と調和する姿を通して、日本の伝統文化と異文化からの発想が融合する形を体現してみせる。
「IWA5」はすでに販売を開始しているが、未だ完成されたレシピを持たないという。一年一年、実験的なプロセスを繰り返しながら、さらなる進化を醸す味をぜひ楽しみたい。
◆IWA5
1本箱 13,000円
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