並んでも食べたい!東京でもっともウマい「冷やし中華」3店並んでも食べたい!東京でもっともウマい「冷やし中華」3店

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これを食べなきゃ人生ソンだよ

2023.8.4

並んでも食べたい!東京でもっともウマい「冷やし中華」3店













残り時間少ない冷やし中華に急げ!
東京の厳選3店を一挙に公開!

 

冷やし中華ほど冷遇された食べ物はないと、筆者は思う。なぜなら、見た目だけそれっぽく整えられて、なんかありきたりな作られ方をされることがほとんどだからだ。通常のラーメンの完成度に比すれば、冷やし中華はおざなりである。











醤油ダレか胡麻ダレに麺を載せ、さらにキュウリと叉焼(もしくはロースハム)と錦糸卵を細長く切って、モヤシとトマトとてっぺんに紅ショウガを盛り付けて、一丁上がりぐらいの扱いしか受けていないのである。あるいは仰々しく13品目載せましたとはいえ、肝腎の味がマズかったりする。

 

 

しかし、夏の涼を求めて、ソーメン、もりそば、冷やし中華――、コンビニのでもいいから、ちゅるちゅる食べたいのが日本人ってなもんだ。はい、今年みたいにクソ暑いとなおさらです。だから、探し求めておきました、ちゃんとした取って置きのヤツを。










頑固一徹「荻窪中華そば 春木屋」の「冷やし中華そば」は麺が命

「荻窪中華そば 春木屋」の「冷やし中華そば」 「荻窪中華そば 春木屋」の「冷やし中華そば」





中華そばの名店だもの。
「冷やし中華そば」がマズイわけがなかろう!

 

 

押しも押されもせぬ中華そばの名店である。筆者にとって荻窪は生活圏からは遠いのだが、何度来たかわからん。いつも頼むのは、「中華そば」大盛り味玉付きか、「わんたん麺」大盛り味玉付きだ。そうそう、ここは普通盛りは麺が少ないのよ(言い訳か?)。

 

 

店主は、なにしろ頑固一徹なんである。毎朝、麺を打ち、スープを炊く。従業員全員で味見して大丈夫かどうかを確認する。そんな店、なかなかないよ。

 

 

だから、夏季限定の「冷やし中華そば」もマズイわけがなかろうと思い、今回初めて食べてみた。旨かった。具は、キュウリ、玉ねぎスライス、ネギをまぶした細切り叉焼、錦糸卵とミニトマト1個、そして肉味噌(個人的には冷やし中華にトマトはいらねえと思うが、彩りってことなんだろな)。







主役は自家製麵!
麺に絡むカツオ香る醤油ダレの絶妙バランス

 

なにが凄いって、やっぱり自家製麺なのだ。目の前の大釜でゆでた麺のヌメリを取り、氷で締める。中太麺はものすごく弾力がある。充分に冷えていて味があり、噛めばぶつぶつんと切れて旨い(温かい麺より、コシが強い)。主役は完全に麺である。

 

 

カツオ香る醤油ダレが甘すぎず酸っぱすぎずの見事なバランスなのだ。タレと一緒に食べるだけで最後まで行けてしまうから、気が向いたときに適当に具を絡めて食べればいい。具の中では、力強い肉味噌がいちばんいいかもしれない。周囲が食べていた「つけ麺」もかなりシンプルで旨そうだった(気温37度の酷暑の日だったが、客の半分は熱い中華そばを食べていた! その気持ちはわかる)。







この店が偉大なのは、11時に開店したら閉店の21時まで通し営業をしているところだ。ラーメンの人気店でそんなとこほとんどないよ。だから、時間をズラしさえすれば、せっかく来たのに食べられずに悔しい思いをするってことがないのだ。客に寄り添う素晴らしい心意気の店だと思う。あっぱれ。

 

 













荻窪中華そば 春木屋

東京都杉並区上荻1-4-6
03-3391-4868

営業時間:11:00~21:00
定休日:不定休

冷やし中華そば 1050円
つけ麺    1000円
中華そば   900円

 










「Rahmen Yahman」の「冷やし塩らはめん」は、他の追随を許さぬ傑作だ

「Rahmen Yahman」の「冷やし塩らはめん」 「Rahmen Yahman」の「冷やし塩らはめん」






冷やし中華の概念をくつがえす
「冷やし塩らはめん」とは?

 

 

「ラハメン ヤマン」と読む。この店では、ラーメンを「らはめん」と呼ぶのだ。レゲエに凝った店主が、なぜか店先にはジャマイカ国旗を掲げてやっている。「ヤマン」はジャマイカのパトワ語で、〝元気?〟という意味らしい。

 

 

醤油味の「らはめん」、「塩らは」はもちろん絶品だから、筆者は何度も食べている。歯切れのいい手打ち麺も凄いが、無化調のスープが重層的な味を奏でてさらに凄いのだ。暑い時期(9月中旬くらいまで)だけ、「冷やし塩らはめん」が登場する(店内にその表示は見つけられなかった)。これは今まで世にあった冷やし中華というもののイメージからはかけ離れた代物である。







ラーメンとしての完成度高し
魂込めた「冷やし塩らはめん」

 

 

まず具は、鶏の胸肉煮、煮玉子、ナスの煮びたしだ。鶏ダシスープはもちろん冷たく、その中に、細かい焦がしネギ、シソ、梅干し、白ネギが入っている。麺は自家製の中太ストレートのツルツル麺だ。よくある平皿に盛られた冷やし中華とは次元が違う。つまり、まったく新しい創作物なのである。煮鶏もうまけりゃ、何と言ってもナスの煮びたしが秀逸なのだ。あと3切れぐらい欲しいよ。

 

 

 

スープに入った細かい仕事、特にシソと梅干しが、全体に味の足し算となり旨さを引き上げる。具の取り合わせは完璧で、ラーメン総体としては群を抜く完成度である。「春木屋」よりも一品としてのまとまりははるかに上だ。店主はもしかしてサーファーなのだろうか?こんがりと日焼けしている風貌から、遊びにかまけて見えなくもないのだが(偏見?)とんでもない。真面目すぎるうえに真面目な仕事ぶりなのだ。ラーメンに魂こめてまっせ。







傾向としては、某グルメ評論家が「夏に食べたい麺」の筆頭に挙げていた「天神下 大喜」の「冷やし鶏そば」に方向性は似ている。「大喜」の熱い「鶏そば」は大傑作で、筆者は東京のラーメンで五指に入るぐらい好きだ。しかし、「冷やし鶏そば」の麺はゴツゴツしていて、スープはゼラチンのようで、ちゅるっと喉を通過しない。ナスの煮びたしはとても旨いのだが、トマトと細切りのキュウリと白髪ネギはいらないかも。「ヤマン」の自家製のツルツル麺のほうが冷やしとしては旨いし、全体としての完成度が数段高いと思うから、同じ傾向の中で選ぶとしたら、やはり「ヤマン」に軍配は上がるのである(もちろん、「大喜」のラーメンに注ぐ情熱は尊敬の対象であることに変わりはない)。

 







レゲエの店、と人は呼ぶ
客思いのラーメン屋「ヤマン」

 

 

「ヤマン」は若いあんちゃんの助手が一人いるだけで、あとはレゲエの店主がワンオペで精魂こめて作っている。普通の醤油と塩の場合、中盛り(280グラム)、大盛り(320グラム)までは無料で、千円には届かない値段設定なのである。無化調だから材料費だってバカにならないはずだ。今どき、こういう客思いで志の高い店主はなかなかいないんじゃないか。さすが、ボブ・マーリーを愛する男! 尊敬しかないよ、レゲエオヤジ!






Rahmen Yahman(ラハメン ヤマン)

東京都練馬区栄町22-1
03-3557-0703

営業時間:11:30~16:00、18:00~21:00
定休日:木曜日

冷やし塩ラハメン  1100円
らはめん      780円
塩らは       820円

 








町中華で知られる「鶏舎」の「冷やし葱そば」はガツガツ食える!

「鶏舎」の「冷やし葱そば」 「鶏舎」の「冷やし葱そば」





ブレイク中のニューウェーブ中華
「鶏舎」の「冷やし葱そば」

 

 

最後に挙げたいのが、ここ数年すでに一部ではバズってる有名な店だから、ご存じの方も多いでしょう。これも従来の冷やし中華からは離れた変わり種である。

 

 

何と言ってもユニークなのは具だ。細切りのキュウリと叉焼、そして大量の辛みをまぶした白ネギだけとしたところが潔い。ネギをどかすと、結構な量の縮れ細麺が姿を現すが、タレは最下層にある。誰もが麺と白ネギをまぜ、タレを絡めて食べている。タレは甘酸っぱさが丁度良い感じで、少し辛いのはおそらくごま油だろう。






麺は外の業者が作った極めてノーマルな細麺なのだが、食べやすいし、このスタイルには合っている。キュウリと叉焼の存在はどうでも良くなり、ほぼ白ネギで食べる感じだ。白ネギは水にさらしてあるからシャキシャキでいい(以前はネギ増しができた)。なるほど、これはちょっとクセになる。中毒者がいるのも理解できる。食べ進めたら、酢とラー油と黒コショウをかけて味変してみるのもいいだろう。

 

 

 





行列上等!
日傘持参でレッツゴー

 

 

筆者が行ったのはランチだが、なんと店内の全員20人ほどが「冷やし葱そば」をワシワシと一心不乱に食べていた。町中華屋なのに、一人としてレバニラ炒め定食などを頼まない。一種、異様な光景かもしれぬ。行列は覚悟してください。炎天下に待つことになるので、男性でも日傘を持参したほうがいいかもね。








鶏舎

東京都目黒区青葉台3-9-9
03-3463-5365

営業時間:11:15~14:30、17:00~20:30
定休日:日曜、祝日

冷やし葱そば 1050円
ラーメン   700円

 

 

 






「これを食べなきゃ人生ソンだよ」とは

うまいものがあると聞けば西へ東へ駆けつけ食べまくる、令和のブリア・サバランか、はたまた古川ロッパの再来かと一部で噂される食べ歩き歴40年超の食い道楽な編集者・バッシーの抱腹絶倒のグルメエッセイ。

 

※各店の営業日/時間、値段は変わることがあるので要確認されたし。






筆者プロフィール

 

食べ歩き歴40年超の食い道楽者・バッシー。日本国内はもちろんのこと、香港には自腹で定期的に中華を食べに行き、旨いもんのために、台湾、シンガポール、バンコク、ソウルにも出かける。某旅行誌編集長時代には、世界中、特にヨーロッパのミシュラン★付き店や、後のWorld Best50店を数多く訪ねる。「天香楼」(香港)の「蟹みそ餡かけ麺」を、食を愛するあらゆる人に食べさせたい。というか、この店の中華料理が世界一好き。別の洋物ベスト1を挙げれば、World Best50で1位になったことがあるスペイン・ジローナの「エル・セジェール・デ・カン・ロカ」。あ~、もう一度行ってみたいモンじゃのお。

 



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