使われる場でデザインが完成する器「1616/arita japan」
2017.03.07
「不完全なものにこそ美が宿る」を形にした新時代の有田焼
国境も、ジャンルの境界線をも越えて世界的に活動するデザイナー柳原照弘が、日本の有田を舞台にクリエイティブディレクターを務める器のコレクション「1616/arita japan」。これまでの有田焼のイメージを一新する、研ぎ澄まされた器のデザインには、「不完全なものにこそ美が宿る」という思想がありました。
デザイナーが100%の力を注いで作り上げるものは、逆に使い手には受け入れられない。それが、柳原さんの考え方。むしろ60%か70%ほどに抑えて、そこにある程度の「余地」を残すことが大事だといいます。そしてその余地は、使い手のライフスタイル、使うシーンの中で、ひとつのデザインとして完成していくのです。
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