第二十六候 芒種 次候「腐草為蛍」01

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第二十六候 芒種 次候「腐草為蛍」

2019.6.11

腐草為蛍(ふそうほたるとなる)
美しい水辺に生まれた蛍が
飛び交いはじめる頃

日本の季節は春・夏・秋・冬の四つだけではなく、初春の立春から始まり、晩冬の大寒に終わる二十四節気、さらに二十四節気をそれぞれ三つに分けて一年を72等分した、七十二候という細分化された繊細な季節がある。

 

「今=ここ」にある季節を、コンテンポラリーに切り取ったビジュアル、そして季寄せ―――
季節の気配・花鳥風月・草木などの折々の自然に眼差しを向ける感性豊かな暦・歳時記を意識した日常ほど、贅沢なものはない。

2019年6月6日〜6月21日
二十四節気 / 芒種

 

二十四節気の芒種(ぼうしゅ)とは、農作業における穀物の種まき、麦の刈り入れ、稲の植え付けの目安とされていた季節。立夏と小満は初夏、芒種からは仲夏が始まる。立春から127日目は暦の上での梅雨入りだが、「梅の実が熟す頃の長雨」ということから梅雨という名前がつけられた。湿度が高く、一年のうちでも最も水を感じる季節といえる。

 

七十二候では、芒種は第二十五候(初候)蟷螂生(かまきりしょうず)6/6〜6/10(2019)、第二十六候(次候)腐草為蛍(ふそうほたるとなる)6/11〜6/15(2019)、第二十七候(末候) 梅子黄(うめのみきばむ)6/16〜6/21(2019)の三つの季節に分けられる。

 

秋のうちに草木に産みつけられた卵から、小さなカマキリが次々と姿を見せる頃。その昔、腐った草は蛍に生まれ変わると信じられていた。美しい淡水の近くに住みついた蛍は、雨上がりの夜ともなれば、暗闇に明かりを灯すように舞う。青々と大きくなった梅の実は、梅雨が到来する頃には黄色く色づき始め、人々は梅干し、梅酒作りのための梅仕事を始める。

第二十六候 芒種 次候「腐草為蛍」02 第二十六候 芒種 次候「腐草為蛍」02

第二十六候 芒種 次候
腐草為蛍(ふそうほたるとなる)

雨にうたれた紫陽花が、水の重さに枝垂れる。
河岸に生い茂る草むらから、立ち上がる蜃気楼のような蒸気が、
つかの間差し込んだ夕暮れの光と彩をなす。
しっとりと蒸した空気が支配する黄昏時ともなれば、
昼間は姿を隠していた蛍が、夜の支度をする頃。
ほとばしる清らかな水の流れに涼を取りながら、
藍色に暮れはじめた川面に、ほのかな光を灯して舞う蛍を待つ時間。

第二十六候 芒種 次候「腐草為蛍」03 第二十六候 芒種 次候「腐草為蛍」03

芒種の歳時記・季寄せ

二十四節気 / 芒種
七十二候 /
第二十五候(初候)蟷螂生(かまきりしょうず)6/6〜6/10(2019)
第二十六候(次候)腐草為蛍(ふそうほたるとなる)6/11〜6/15(2019)
第二十七候(末候)梅子黄(うめのみきばむ)6/16〜6/21(2019)

 

気配:入梅 五月雨 花:紫陽花 露草 くちなし 生き物:かたつむり
茶花:くちなし 金糸梅 紫式部
色:木賊色 緑青
襲(かさね)の色目:若苗(表-淡木賊 裏-淡木賊)
行事:種まき 蛍狩り 虫:かまきり
装い:単(ひとえ) 阿波しじら
料理:鮎の塩焼き 菓子:青梅 竹流し
魚貝:鮎 穴子 野菜:トマト おくら 果物:びわ メロン
星座:おとめ座 季語:田植 梅雨
俳句:紫陽花の末一色となりにけり(一茶)

第二十六候 芒種 次候「腐草為蛍」04 第二十六候 芒種 次候「腐草為蛍」04
第二十六候 芒種 次候「腐草為蛍」05 第二十六候 芒種 次候「腐草為蛍」05
Photography by Mai Kise
Video editing by Mei Tsukishiro(Park Sutherland)
Music by Yosuke Tsuchida

参考文献:『季語・歳時』『二十四節気と暦』国立天文台 暦計算室 貴重資料展示室、『合本俳句歳時記第五版』角川書店、『かさねの色目-平安の配彩美』青幻舎、『四季の暮らし美しい朝夕巻一四季の着物春・夏』講談社、『俳句でつかう季語の植物図鑑』山川出版社、『きもの歳時記』山下悦子

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