白露の季節の花、ケイトウ

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第四十三候 白露 初候「草露白」

2019.9.3

草露白(そうろしろし)
白く光る露が草花に降り、
朝晩の寒暖差が日毎増す頃。

日本の季節は春・夏・秋・冬の四つだけではなく、初春の立春から始まり、晩冬の大寒に終わる二十四節気、さらに二十四節気をそれぞれ三つに分けて一年を72等分した、七十二候という細分化された繊細な季節がある。

 

「今=ここ」にある季節を、コンテンポラリーに切り取ったビジュアル、そして季寄せ───
季節の気配・花鳥風月・草木などの折々の自然に眼差しを向ける感性豊かな暦・歳時記を意識した日常ほど、贅沢なものはない。

渡り鳥が南へと帰る秋空 渡り鳥が南へと帰る秋空

2019年9月8日〜9月22日
二十四節気 / 白露

二十四節気の白露(はくろ)とは、大気が急に冷えはじめ、早朝の草花に白く透き通る露が結ぶ頃。白は日本では雪をイメージする冬の色だが、中国では秋を象徴する色。朝晩の冷えに備えて「白露を過ぎたら肌を晒してはいけない」という意味のことわざもある。9月9日の重陽の節句も中国から伝わったもの。日本では菊の節句として、平安時代の宮中で菊の酒を飲み、菊合わせ(菊の品評会)などが行われる季節の宮中行事となった。旧暦の8月15日の満月は中秋の名月。新暦は旧暦と1~2か月のずれがあるため、現在は「9月7日から10月8日の間で、満月が出る日」を十五夜とする(2019年の十五夜は9月13日)。残暑も和らぎ空気も澄んで、月も見やすく過ごしやすくなる頃。月見団子とすすき、さらに、いも、かぼちゃなど秋の味覚のお供えをして、満月を風雅に愛でる。

 

七十二候では、白露は第四十三候(初候)草露白(そうろしろし)9/8〜9/12(2019)、第四十四候(次候)鶺鴒鳴(せきれいなく)9/13〜9/17(2019)、第四十五候(末候)玄鳥去(つばめさる)9/18〜9/22(2019)の三つの季節に分けられる。

 

季節が流れ、朝晩の気温が低くなってくると、早朝、木々の葉や草花に降りた透明な露が白く光り、いよいよ秋は深まりを見せる。日本神話のイザナギとイザナミを結びつけた「恋教え鳥」の異名を持つ鶺鴒(せきれい)はこの季節に鳴き始める。鶺鴒は長い尾を持ち川や湖などの水辺に住む、この時季の野鳥だ。鳥といえば、春先に到来したつばめたちが夏の子育てを終え、暖かい南の島へと帰り始める季節でもある。渡り鳥が南へと去った空は一層高く、夕暮れの空の色に淋しさや切なさを感じる頃でもある。


無花果(いちじく )の実も一段と大きさを増す 無花果(いちじく )の実も一段と大きさを増す

第四十三候(初候)
草露白(そうろしろし)

燃えるような赤、どこまでも清らかな白。
ビロードのような手触りの鶏頭(けいとう)の花にも
夜から朝へ変わる時の狭間に、白く輝く露が降りる。
南からの渡り鳥たちが去った高い空の下では、
大きな葉の間で、無花果(いちじく)が実りの季節を迎える。
満月よりも明るい光が地上に瞬く東京で、
夜空を見上げて中秋の名月を探す。

白露の季節、無花果(いちじく)の大きな葉にも露を結ぶ 白露の季節、無花果(いちじく)の大きな葉にも露を結ぶ

白露の歳時記・季寄せ

二十四節気 / 白露
七十二候 /
第四十三候(初候)草露白(そうろしろし)9/8〜9/12(2019)
第四十四候(次候)鶺鴒鳴(せきれいなく)9/13〜9/17(2019)
第四十五候(末候)玄鳥去(つばめさる)9/18〜9/22(2019)

 

気配:野分(台風)
花:鶏頭 秋海棠
茶花:浜菊 磯菊
襲(かさね)の色目:朽葉(表-濃紅 裏-濃黄) 青朽葉(表-経青緯黄 裏-青)
行事:重陽の節句 月見 筥崎八幡宮の放生会大祭(福岡) 岸和田だんじり祭(大阪)
鳥:鶺鴒(せきれい)
虫:いなご
装い:木綿 単衣
料理:秋刀魚の塩焼き どびん蒸し
菓子:月見団子 月羹
魚貝:秋刀魚 あわび
野菜:なす しめじ
果物:無花果(いちじく)
星座:わし座 いて座
季語:白露 秋の空 燕帰る
俳句:無花果のゆたかに実る水の上(山口誓子)

満月よりも明るい光が地上に瞬く東京で十五夜を探す 満月よりも明るい光が地上に瞬く東京で十五夜を探す
Photography by Mai Kise
Video editing by Mei Tsukishiro(Park Sutherland)
Music by Yosuke Tsuchida

 

参考文献:『季語・歳時』『二十四節気と暦』国立天文台 暦計算室 貴重資料展示室、『合本俳句歳時記第五版』角川書店、『かさねの色目-平安の配彩美』青幻舎、『四季の暮らし美しい朝夕巻一四季の着物秋・冬』講談社、『きもの歳時記』平凡社、『美しい季語の花』誠文堂新光社

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