寒露イメージ 陽の光を浴びるススキ

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第四十九候 寒露 初候「鴻雁来」

2019.10.1

鴻雁来(がんきたる)
朝露・夜露が冷たく感じられ、
雁などの冬鳥が渡ってくる頃

日本の季節は春・夏・秋・冬の四つだけではなく、初春の立春から始まり、晩冬の大寒に終わる二十四節気、さらに二十四節気をそれぞれ三つに分けて一年を72等分した、七十二候という細分化された繊細な季節がある。

 

「今=ここ」にある季節を、コンテンポラリーに切り取ったビジュアル、そして季寄せ───
季節の気配・花鳥風月・草木などの折々の自然に眼差しを向ける感性豊かな暦・歳時記を意識した日常ほど、贅沢なものはない。

寒露イメージ 風に揺れるススキ 寒露イメージ 風に揺れるススキ

2019年10月8日〜10月23日
二十四節気 / 寒露

二十四節気の中で寒露(かんろ)とは、朝露・夜露が冷たく感じられる頃。朝夕、冷んやりとした空気が支配する。秋の長雨の季節も過ぎ去り、澄み渡った青空の下では、農家が農作物の収穫のたけなわ。山野では黄葉、紅葉も始まり、本格的な秋の気配に包まれる。10月には秋の収穫を感謝する秋祭りが日本各地で開催される。「秋の日は釣瓶(つるべ)落とし」とは、秋の夕暮れを表す言葉。井戸から水を汲み上げる滑車を使った桶のことを釣瓶というが、井戸の底へ釣瓶がサーッと落ちていくように、夕暮れから急に日没を迎えるという例えだ。空気は澄み渡り、夜空には冴え冴えと月が明るむ。お月見といえば旧暦8月15日の中秋の名月だが、旧暦9月13日の十三夜の月もまた美しい月とされる。十三夜のお月見は日本独自の風習であり、秋の収穫に根ざしたものという説もある。芋や豆、栗をお供えすることから、「芋名月」、「豆名月」、「栗名月」とも呼ばれる。2019年の十三夜は10月11日。

 

七十二候では、寒露は第四十九候(初候)鴻雁来(がんきたる)10/8〜10/13(2019)、第五十候(次候)菊花開(きくばなひらく)10/14〜10/182019)、第五十一候(末候)蟋蟀在戸(きりぎりすとにあり)10/19〜10/23(2019)の三つの季節に分けられる。

 

春に到来した、つばめなどの夏鳥が越冬のために南へ帰る頃。その年初めて北から訪れる雁は初雁と呼ばれるが、雁などの冬鳥たちが入れ違いに北からやってくれば秋も本番。秋の花を代表する菊が咲き始める。菊は奈良時代に中国から薬草として伝わったと言われる。日本でも古くから栽培され、鑑賞されて親しまれるようになった。菊花を皇室の御紋としたのは後鳥羽上皇の頃。高貴な花の代名詞でもある。夏の虫の鳴き声に変わって、秋の虫が戸口で泣き始める頃。「きりぎりす」は別名を機織り虫と呼ばれるが、その由来は「ギーッチョン ギーッチョン」と機織りのように聞こえる鳴き声によるもの。山野に出かけて虫の声を聞くことは、「虫聞き」と言われる風情ある秋の楽しみ。


寒露イメージ 秋の野山の植物 寒露イメージ 秋の野山の植物

第四十九候 (初候)
鴻雁来(がんきたる)

野山の落葉樹が色づきはじめる頃。
辺りに甘く漂うのは、金木犀の香り。
路傍に咲くのは、季節外れの線香花火のような彼岸花。
穂をあげたススキは陽の光を透過し
秋桜の群生は風に揺れる。
鱗雲が切れ切れに広がる空高く、
今年も初雁が到来する。

寒露イメージ 黄葉する落葉樹 寒露イメージ 黄葉する落葉樹

寒露の歳時記・季寄せ

二十四節気 / 寒露
七十二候 /
第四十九候(初候)鴻雁来(がんきたる)10/8〜10/13(2019)
第五十候(次候)菊花開(きくばなひらく)10/14〜10/18(2019)
第五十一候(末候)蟋蟀在戸(きりぎりすとにあり)10/19〜10/23(2019)

 

気配:朝露 夜露
花:菊 ススキ
茶花:野菊 山葡萄
襲(かさね)の色目:黄紅葉(表-黄 裏-濃黄) 白菊(表-白 裏-萌黄)
行事:十三夜 川越祭り(埼玉) 長崎くんち(長崎)
鳥:雁 鴨
虫:きりぎりす
装い:袷
料理:ぎんなんの茶碗蒸し 菊の酢の物
菓子:菊襲 栗金団
魚貝:ぼら ホッキ貝
野菜:銀杏 あけび
果物:りんご ざくろ
星座:水瓶座
季語:寒露 雁渡る 新酒
俳句:古九谷の深むらさきも雁の頃(細見綾子)

寒露イメージ 風に揺れる秋桜の群生 寒露イメージ 風に揺れる秋桜の群生
Photography by Mai Kise
Video editing by Mei Tsukishiro(Park Sutherland)
Music by Yosuke Tsuchida

 

参考文献:『季語・歳時』『二十四節気と暦』国立天文台 暦計算室 貴重資料展示室、『合本俳句歳時記第五版』角川書店、『かさねの色目-平安の配彩美』青幻舎、『四季の暮らし美しい朝夕巻一四季の着物秋・冬』講談社、『きもの歳時記』平凡社、『美しい季語の花』誠文堂新光社

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