寒露イメージ 陽の光を浴びるススキ

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第五十三候 霜降 次候「霎時施」

2019.10.15

霎時施 (こさめときどきふる)
突然ぱらぱらと降り出す雨に
秋の終わりを予感させる頃

日本の季節は春・夏・秋・冬の四つだけではなく、初春の立春から始まり、晩冬の大寒に終わる二十四節気、さらに二十四節気をそれぞれ三つに分けて一年を72等分した、七十二候という細分化された繊細な季節がある。

 

「今=ここ」にある季節を、コンテンポラリーに切り取ったビジュアル、そして季寄せ───
季節の気配・花鳥風月・草木などの折々の自然に眼差しを向ける感性豊かな暦・歳時記を意識した日常ほど、贅沢なものはない。

2019年10月24日〜11月7日
二十四節気 / 霜降

二十四節気の中で霜降(そうこう)とは、北国や山あいで霜が降りるようになる季節。秋の終わりと冬の気配を予感させ、早朝に植物を濡らしていた露が、いつの間にか霜に代わる。実りの秋もいよいよ終盤。農家はもちろん、園芸家や家庭菜園に親しむ人々も、この時季から霜枯れの準備に取り掛かる。また、山々は一年で最も美しい紅葉を迎える季節でもある。秋の山が黄や赤に色づく様子を「山粧う(やまよそおう)」という。春の山の初々しい新緑の様子は「山笑う」、夏の山の青々とした姿は「山滴る(やましたたる)」、冬枯れの山の侘しい様子は「山眠る」───四季それぞれの山の表情を捉えた言葉は北宋時代の中国の山水画家、郭熙(かくき)によるものだが、日本では俳句の季語として親しまれている。「山粧う」晩秋、紅葉・黄葉に彩られた山を歩けば、足元には楢、樫、くぬぎなどの木の実である愛らしい形のどんぐり拾いというお楽しみもある。

 

七十二候では、霜降は第五十二候(初候)霜始降(しもはじめてふる)10/24〜10/28(2019)、第五十三候(次候)霎時施(こさめときどきふる)10/29〜11/2 (2019)、第五十四候(末候)楓蔦黄(もみじつたきばむ)11/3〜11/7(2019)の三つの季節に分けられる。北国から徐々に初霜の便りが届く季節。地面近くは零度以下に下がり、朝晩に冷え込みを感じ始める時期でもある。このころに降る雨は、しとしとと降り続く長雨ではなく、しずくを散らすようにぱらぱらと降ったかと思うとすぐに止んでしまうような雨。落葉した枝を濡らす雨は、秋の終わり、冬の気配が漂う物哀しさと切なさが感じられる。日本海側では、この頃から曇りがちな日々が続く。北国や山々はすでに染まっている紅葉・黄葉が日毎に南下し始める季節。紅葉前線は桜前線とは逆に、日本列島を北から南へと駆け抜ける。桜の季節に並ぶとも劣らない、美しい秋の景色を愛でる行楽客で、各地が賑わいをみせる。


第五十三候 (次候)
霎時施(こさめときどきふる)

「山粧う」。
そんなふうに称される鮮やかな紅葉の季節の中で、
すっかり落葉して、幹と枝だけの輪郭の
少しばかり気の早い、冬支度の樹木。
何色とも形容しがたい中間色の空から
突然降り出した冷たい雨は、
ぱらぱらと地面の落ち葉に小さな跡を残し
紅葉にも劣らないほどに赤く染まった小さな実を濡らす。

寒露イメージ 黄葉する落葉樹 寒露イメージ 黄葉する落葉樹

霜降の歳時記・季寄せ

二十四節気 / 霜降
七十二候 /
第五十二候(初候)霜始降(しもはじめてふる)10/24〜10/28(2019)
第五十三候(次候)霎時施(こさめときどきふる)10/29〜11/2 (2019)
第五十四候(末候)楓蔦黄(もみじつたきばむ)11/3〜11/7(2019)

 

気配:黄葉 紅葉
花:木犀
茶花:秋撫子 照葉
襲(かさね)の色目:残菊(表-黄 裏-白) 葉菊(表-白 裏-紺青)
行事:酉の市 宇和津彦神社秋祭り(愛媛) 弥五郎どんまつり(鹿児島・宮崎)
鳥:ひよどり
虫:みのむし
装い:袷
料理:新そば
菓子:柚餅子 銀杏餅
魚貝:帆立貝 牡蠣
野菜:にんじん
果物:みかん 柿 落花生
星座:みなみのうお座
季語:山粧う 霜降
俳句:霜降や地にひゞきたる鶏のこゑ(滝沢伊代次)

Photography by Mai Kise

 

参考文献:『季語・歳時』『二十四節気と暦』国立天文台 暦計算室 貴重資料展示室、『合本俳句歳時記第五版』角川書店、『かさねの色目-平安の配彩美』青幻舎、『四季の暮らし美しい朝夕巻一四季の着物秋・冬』講談社、『きもの歳時記』平凡社、『美しい季語の花』誠文堂新光社

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