立冬イメージ 白い山茶花

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第五十五候 立冬 初候「山茶始開」

2019.11.5

山茶始開(つばきひらきはじむ)。
暦の上では冬の始まり。
北国の山に初冠雪が見られる頃。

日本の季節は春・夏・秋・冬の四つだけではなく、初春の立春から始まり、晩冬の大寒に終わる二十四節気、さらに二十四節気をそれぞれ三つに分けて一年を72等分した、七十二候という細分化された繊細な季節がある。

 

「今=ここ」にある季節を、コンテンポラリーに切り取ったビジュアル、そして季寄せ───
季節の気配・花鳥風月・草木などの折々の自然に眼差しを向ける感性豊かな暦・歳時記を意識した日常ほど、贅沢なものはない。

立冬イメージ 苔に銀杏の落ち葉 立冬イメージ 苔に銀杏の落ち葉

2019年11月8日〜11月21日
二十四節気 / 立冬

二十四節気の中で立冬(りっとう)とは、冬の気配が強まり、北国から初冠雪の便りが届く頃。感覚的にはまだ秋たけなわながら、次第に日の光は弱くなり、落葉樹の葉が落ち、冷たい風が吹き始める。思わずコートの襟を立ててしまうように冷たい「木枯らし一号」のニュースが届けば、本格的な冬の到来。木枯らしは霜降から冬至の間に吹く冷たい北風を指す。気圧配置は西高東低の冬型となり、日本海側では重く灰色の雲が空を覆う冬空、太平洋側では澄んだ青空が広がる晴天という対照的な天候となる。西日本では、旧暦の亥の月(新暦では11月10日頃)に「亥の子(いのこ)」という行事が行われる。これはいのししの多産にあやかった行事で、子孫繁栄と無病息災を祈り、形をいのししに見立てた亥の子餅を食べる。11月15日に行われるのが七五三。3歳(髪置きの祝い)の男女、5歳(袴着の祝い)の男の子、7歳(帯解きの祝い)の女の子の健やかな成長への感謝と願いを込めて、氏神様や神社に家族で参拝に出かける。

 

七十二候では、立冬は第五十五候(初候)山茶始開(つばきひらきはじむ)11/8〜11/12(2019)、第五十六候(次候)地始凍(ちはじめてこおる)11/13〜11/17 (2019)、第五十七候(末候)金盞香(きんせんこうばし)11/18〜11/21(2019)の三つの季節に分けられる。椿の開花は2月頃となるが、ツバキ科の山茶花(さざんか)が赤や白の花をつけ始める季節。落ち葉を掃き集めて焚き火をする様子が童謡に唄い継がれるように、初冬を代表する花は寺院や茶室の庭木としても好まれてきた。この頃から空気が張りつめるように冷たくなり、地面も凍り始める。金盞とは、金色の杯を意味する水仙の花の別名。白い6枚の花びらの中央に黄色い副花冠を持つ水仙は、その上品な香りと清楚な姿からお正月用の生け花の花材にも用いられる。開花の時期は11月〜3月。冷たい風が吹く季節、静かに花を揺らしながらかぐわしい香りを漂わせる。

立冬イメージ モノクロームの銀杏の落葉 立冬イメージ モノクロームの銀杏の落葉

第五十五候(初候)
山茶始開(つばきひらきはじむ)

冷たい木枯らしに、
落葉樹の葉がはらはらと舞い落ちる頃。
赤・黄・橙に染まった葉は
足元で敷き紅葉の絨毯に。
森に分け入れば、
冬に先駆けて咲くさざんかの花。
高く見上げれば、
雪の結晶模様の針葉樹の葉。

立冬イメージ 紅葉の落葉 立冬イメージ 紅葉の落葉

立冬の歳時記・季寄せ

二十四節気 / 立冬
七十二候 /
第五十五候(初候)山茶始開(つばきひらきはじむ)11/8〜11/12(2019)
第五十六候(次候)地始凍(ちはじめてこおる)11/13〜11/17 (2019)
第五十七候(末候)金盞香(きんせんこうばし)11/18〜11/21(2019)

 

気配:木枯らし 花:山茶花 茶花:白玉椿 曙
襲(かさね)の色目:枯色(表-淡香 裏-青) 枯野(表-黄 裏-淡青)
行事:七五三 亥の子 伏見稲荷大社火焚祭(京都) 出雲大社の神在祭(島根)
鳥:まひわ 装い:袷
料理:白菜鍋 春菊のおひたし  菓子:千歳飴 亥の子餅
魚貝:ひらめ 毛がに 野菜:白菜 春菊 山いも 小豆
星座:アンドロメダ座 季語:木枯 立冬
俳句:山茶花や金箔しづむ輪島塗(水原秋櫻子)

立冬イメージ 針葉樹 立冬イメージ 針葉樹
Photography by Mai Kise
Video editing by Mei Tsukishiro(Park Sutherland)
Music by Yosuke Tsuchida

 

参考文献:『季語・歳時』『二十四節気と暦』国立天文台 暦計算室 貴重資料展示室、『合本俳句歳時記第五版』角川書店、『かさねの色目-平安の配彩美』青幻舎、『四季の暮らし美しい朝夕巻一四季の着物秋・冬』講談社、『美しい季語の花』誠文堂新光社、『日本の行事を楽しむ12カ月 くらしの歳時記』主婦の友社

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