葉を落とした高木

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第六十一候 大雪 初候「閉塞成冬」

2019.12.3

閉塞成冬 (そらさむくふゆとなる)
重く広がる灰色の空に
万物が塞がれ、真冬が訪れる頃

日本の季節は春・夏・秋・冬の四つだけではなく、初春の立春から始まり、晩冬の大寒に終わる二十四節気、さらに二十四節気をそれぞれ三つに分けて一年を72等分した、七十二候という細分化された繊細な季節がある。

 

「今=ここ」にある季節を、コンテンポラリーに切り取ったビジュアル、そして季寄せ───
季節の気配・花鳥風月・草木などの折々の自然に眼差しを向ける感性豊かな暦・歳時記を意識した日常ほど、贅沢なものはない。

森の中の泉 森の中の泉

2019年12月7日〜12月21日
二十四節気 / 大雪

二十四節気の中で大雪(たいせつ)とは、完全に冬型の天候となり、いよいよ雪が降りはじめる頃。九州から北海道まで、広く冬景色が広がる。「冬将軍」と呼ばれるシベリア寒気団も到来。気圧配置は完全な冬型になる。朝晩の冷え込みは一層厳しくなり、日本海側では大雪となることも多い。降雪地方の庭園では、雪の重みで庭木の枝が折れないよう雪吊りをする。12月13日はお正月の準備を始める「正月事始め」の日。京都の祇園で、芸妓が芸ごとの師匠宅に挨拶まわりをする様子は「祇園の事始め」として、京都の年の瀬の風物詩となっている。

 

七十二候では、大雪は第六十一候(初候)閉塞成冬(そらさむくふゆとなる)12/7〜12/11(2019)、第六十二候(次候)熊蟄穴(くまあなにこもる)12/12〜12/16(2019)、第六十三候(末候)鱖魚群(さけむらがる)12/17〜12/21(2019)の三つの季節に分けられる。空を塞ぐ重い灰色の雲は、特に日本海側でこの時季に見られる空。寒さに閉ざされた季節の中で、生き物たちは活動を控えている。秋から大量の食べ物を摂取して冬ごもりに備えていた熊も、いよいよ穴に隠れて冬眠中。寒さで家にこもりがちになるのは人間も同様だが、冬に盛んに活動をするのは魚たちだ。川の上流で生まれた鮭は海へと下り、数年かけて成長した後、産卵のために里帰りする。鮭が群れをなして川を遡るのはまさにこの季節だ。

山茶花 山茶花

第六十一候(初候)
閉塞成冬(そらさむくふゆとなる)

すっかり葉を落とした
広葉樹の隙間から、
灰色の重い空が
垂れ込める12月の森。
深い静けさが
辺りを支配する中で、
カサコソ、カサコソ…
乾いた音を立てるのは
冬ごもりをし損ねた動物たちか。

森の小川 森の小川

大雪の歳時記・季寄せ

二十四節気 / 大雪
七十二候 /
第六十一候(初候)閉塞成冬(そらさむくふゆとなる)12/7〜12/11(2019)
第六十二候(次候)熊蟄穴(くまあなにこもる)12/12〜12/16(2019)
第六十三候(末候)鱖魚群(さけむらがる)12/17〜12/21(2019)

 

気配:氷雨
花:枇杷(びわ)の花
茶花:石蕗(つわぶき) 初雁梅
襲(かさね)の色目:氷重(表-鳥の子色 裏-白)
行事:山科義士まつり(京都) 浅草羽子板市(東京)
鳥:みみずく かいつぶり
装い:袷
料理:ふろふき大根 はまちの竜田揚げ
菓子:雲門 冬籠
魚貝:はまち 鮭
野菜:大根 きんかん くるみ
星座:うお座
季語:大雪 寒月
俳句:冬眠のはじまる土の匂ひかな(小島 健)

赤い実 赤い実
Photography by Mai Kise
Video editing by Mei Tsukishiro(Park Sutherland)
Music by Yosuke Tsuchida

 

参考文献:『季語・歳時』『二十四節気と暦』国立天文台 暦計算室 貴重資料展示室、『合本俳句歳時記第五版』角川書店、『かさねの色目-平安の配彩美』青幻舎、『四季の暮らし美しい朝夕巻一四季の着物秋・冬』講談社、『美しい季語の花』誠文堂新光社、『日本の行事を楽しむ12カ月 くらしの歳時記』主婦の友社

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