川と雪

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第七十一候 大寒 次候「水沢腹堅」

2020.1.21

水沢腹堅 (みずさわあつくかたし)
凍てつく寒さの中にも
春の足音がかすかに近づいてくる頃

日本の季節は春・夏・秋・冬の四つだけではなく、初春の立春から始まり、晩冬の大寒に終わる二十四節気、さらに二十四節気をそれぞれ三つに分けて一年を72等分した、七十二候という細分化された繊細な季節がある。

 

「今=ここ」にある季節を、コンテンポラリーに切り取ったビジュアル、そして季寄せ―――

季節の気配・花鳥風月・草木などの折々の自然に眼差しを向ける感性豊かな暦・歳時記を意識した日常ほど、贅沢なものはない。

二十四節気 / 大寒 二十四節気 / 大寒

2020年1月20日〜2月3日
二十四節気 / 大寒

二十四節気の中で大寒(だいかん)とは、冬の最後の節気。一年で最も寒い季節でありながら、日差しは少しずつ強まり、春の気配が近づいている大地の鼓動を感じる季節でもある。北国では豪雪にみまわれる時季である一方で、海沿いの温暖な地方からは梅の開花の便りも聞こえ始める。寒い日が3日続くと暖かい日が4日続くという意味の「三寒四温」という言葉もあるように、春に少しずつ向かっていくことが感じられる。立春の前日である2月3日は節分。もともと、節分とは立春、立夏、立秋、立冬の前日を指し、季節の変わり目の呼称であったが、冬から春に変わる立春の前日の節分だけが今に残り、宮中で行われていた「追儺(ついな)」という豆まきをして鬼払いをする行事が広まった。

 

七十二候では、大寒は第七十候(初候)款冬華(ふきのとうはなさく)1/20〜1/24(2020)、第七十一候(次候)水沢腹堅(みずさわあつくかたし)1/25〜1/29 (2020)、第七十二候(末候)雞始乳 (にわとりとやにつく)1/30〜2/3(2020)の三つの季節に分けられる。

 

ふきのとうはまだ厳しい寒さの中に芽を出す山菜。「款冬」という漢字は氷を破るようにして咲くことから由来し、冷たい地面から顔を出してくる様子は、早春の象徴でもある。雪が降り、川を流れる水が凍てつき、北国の湖では厚く氷が張る季節。雪だるま、かまくら、わかさぎの穴釣りなどは、真冬ならではの楽しみ。家に篭りがちな時期でもあるが、今、この季節にしか見られない景色を楽しみたい。植物同様、動物も人間よりいち早く春を感じている。かつては時を告げる鳥として庭先で飼われた鶏が、鳥小屋に入って卵を産む季節。夜明けを告げる鶏は、長い冬の終わりと春の気配を告げるのにふさわしい。

水沢腹堅 水沢腹堅

第七十一候(次候)
水沢腹堅(みずさわあつくかたし)

雪に縁取られた1月の小川。

まるで粉砂糖を被ったようなくま笹の葉から

時折、パサパサと落ちる雪。

それをたちまち呑み込む、滔々とした水の流れ。

風紋と動物の足跡が微かに残る一面の雪は、

やがて温かな午後の日差しを浴びて

静かに溶けてゆくだろう。


大寒の歳時記・季寄せ 大寒の歳時記・季寄せ

大寒の歳時記・季寄せ

二十四節気 / 大寒

七十二候 /

第七十候(初候)款冬華(ふきのとうはなさく)1/20〜1/24(2020)

第七十一候(次候)水沢腹堅(みずさわあつくかたし)1/25〜1/29 (2020)

第七十二候(末候)雞始乳 (にわとりとやにつく)1/30〜2/3(2020)

 

気配:雪おろし かまくら 三寒四温 花:蝋梅 茶花:紅蕗 水仙

襲(かさね)の色目:雪の下(表-白 裏-紅梅) 椿)(表-蘇芳 裏-赤)

行事:二十日正月 節分 紋別・登別の流氷(北海道)

鳥:鶏 じょうびたき 装い:袷

料理:ぶり大根 まぐろの山かけ 恵方巻き  菓子:若菜餅 熨斗梅

魚貝:ぶり まぐろ わかさぎ 野菜:ふきのとう 百合根 果物:金柑

星座:おうし座 季語:白鳥 霧氷

俳句:かまくらは和紙の明るさ雪しんしん(坂本宮尾)

枯葉と雪 枯葉と雪
Photography by Mai Kise

 

参考文献:『季語・歳時』『二十四節気と暦』国立天文台 暦計算室 貴重資料展示室、『合本俳句歳時記第五版』角川書店、『かさねの色目-平安の配彩美』青幻舎、『四季の暮らし美しい朝夕巻一四季の着物秋・冬』講談社、『美しい季語の花』誠文堂新光社、『日本の行事を楽しむ12カ月 くらしの歳時記』主婦の友社

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