細川亜衣とのコラボで生まれた入れ子の器

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細川亜衣の五感に響く作り手たち

2019.5.14

3. 音というエネルギーをデザインして、形づくる。金工に夢を託して、追い続ける金工作家・宇都宮 檀

金属と料理は一見、異質なものに思える。しかし、宇都宮 檀の器に細川亜衣が料理を盛り付けると、その異質さが味わいとなり、無機質と思われがちな金属が優しく料理を引き立てていくことに驚きを覚える。

宇都宮 檀が石からイメージしたという入れ子の器からは、金属が石と同じ自然の産物であることに気づかせるだけではなく、金属のもう一つの表情を見つけることができるだろう。


文・宇都宮 檀

 

「全ての始まり、超新星爆発で生まれた金属達。
私達を構成する元素も同じようにこの爆発から生まれました。」

 

この話を聞いた時、私の胸は高鳴り、とてもワクワクした事を覚えています。
金属を扱いながら、その意味と人間の本来の姿、美しさとは何だろうと常々考えていた私は、古来より人が金属を身に纏う理由の一端を垣間見、その答えに少し近づけた気がしたからです。

 

そして、日本語は「音」にエネルギーがあるという数少ない言語だと言います。それも大きなヒントだという気がしています。


石に金属をまとわせながら形作っていく器「ishiki」 石に金属をまとわせながら形作っていく器「ishiki」

石に金属をまとわせながら形作っていく器「ishiki」は、石好きが高じ、ishiki(イシキ)という音を形にしたくて作った石を入れる器だった。しかし細川亜衣との出会いによって用途のある器へと発展した。

例えば、「石」と「意志」。同じ音のこの2つのエネルギーが同じなのであれば、「意志」に気を配る事で意識化していける事があるように、石に気を纏わすように金属でつくった器を「石器-ishiki(イシキ)」と呼んでみてはどうだろう。
些細な無意義なことを意識化していく事で生まれる美しさ……、そんな事を連想したりするのです。

宇都宮 檀のジュエリーの数々。(上)EDA chorker、(右)hamon earring、(左)deco earring 、(下)planet eternity ring 宇都宮 檀のジュエリーの数々。(上)EDA chorker、(右)hamon earring、(左)deco earring 、(下)planet eternity ring

宇都宮 檀のジュエリーの数々。(上)EDA chorker、(右)hamon earring、(左)deco earring 、(下)planet eternity ring

自然の造形や働きに、古代の人々の風習や遺物に、内包された宇宙の神秘を感じ心を動かされる時、そして、それらと音が繋がる時、私はまた少し答えへと近づける気がして、形に、そして身に纏う物や道具に置き換えたい衝動に駆られるのです。

 

金属が、私達の原初の記憶を目覚めさせ、時空を超え、自由に羽ばたかせてくれる。
そんな夢を見ながら。

Profile

宇都宮 檀 Mayumi Utsunomiya
金工作家 

1975年兵庫県生まれ。1997年CURIOとしてジュエリー、装身具の制作を始める。2010年、宇都宮 檀の名前で生活道具やオブジェなどの制作を始めて、現在に至る。
http://curio-live-design.com/curio-2/

Photography by Yoshikazu Shiraki(トップ画像)

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