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美術品級の価値を持つ“装丁”の変遷から本のデザイン性を考察する一冊

2018.12.25


誠文堂新光社刊・「画家のブックデザイン」

藤田嗣治、竹久夢二、棟方志功、中川一政。日本を代表するこれらの画家たちは、書籍の装丁も手がけていたことをご存知でしょうか。かつて書籍は画家が意匠を凝らして装丁するものでした。中でも著名な画家が装丁した書籍は、“美装本”として非常に高い評価を受け、今では貴重な資料としての価値を持つものとなっています。

このたび誠文堂新光社から刊行された「画家のブックデザイン」は、明治から現代にいたる19名の著名な画家・装丁家を取り上げ、彼らの代表的な“美装本”を紹介しながら、木版印刷や製紙、製本技術など、日本の優れた造本文化の魅力に迫っています。

本書に登場する画家・装丁家は、橋口五葉/小村雪岱/岸田劉生/竹久夢二/藤田嗣治/東郷青児/佐野繁次郎/棟方志功/中川一政/安野光雅/司修といった面々。


小村雪岱の装丁による泉鏡花「新柳集」


岸田劉生の装丁による武者小路実篤「友情」(左)、木下利玄「歌集一路」

特に、「大正の歌麿」と評された橋口五葉や「昭和の春信」と評された小村雪岱が活躍した明治から昭和初期の“美装本”にはまるで美術工芸品かと思うほど粋な装飾が、美しい絵や文字とともに施されている名装丁が多く、活字文化が華やかだった時代の変遷を辿ることができます。

電子書籍の普及が進む現代において、ブックデザインの源流である「装丁と装画」をひも解きながら、その重要性と楽しさを知ることのできる一冊です。

 

◆画家のブックデザイン
出版社:株式会社誠文堂新光社
著者:小林真理
定価:本体2,600円+税
出版社URL:http://www.seibundo-shinkosha.net/products/detail.php?product_id=5997