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日常07.チェリーテラスのキッチンウェア

2018.03.19
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2000年の発表以来ロングセラーを誇るチェリーテラスオリジナルの「パームハウス・ケトル」はイタリア建築・インダストリアルデザインの巨匠、マリオ・ベリーニがチェリーテラスのためにデザインしたもの。金属加工で名高い新潟の燕三条の高度な技術との融合により生まれたオブジェのように美しいケトル。18,000円/チェリーテラス  ©チェリーテラス

 

官山のヒルサイドテラス。ガラス張りのウィンドウに美しいキッチンウェアが並んだD棟の扉の奥に、チェリーテラスはあります。スイスのハンディーフードプロセッサー、バーミックスや、ハンドルやグリップを外して入れ子式に重ねて収納できるメイドインフランスのステンレス鍋、クリステルといった調理道具から、オリーブオイルの本当の美味しさをチェリーテラスがさきがけて日本に紹介したともいえるフレスコバルディのラウデミオ、イタリアの食文化を体現するマルピーギのバルサミコまで。チェリーテラスの代名詞のような存在であるこれらの商品は、シェフ、料理研究家といったプロフェッショナルから日常の食事を何より大切に考える主婦まで、広く信頼を集めています。

「機能性、高い品質、デザイン性、収納性、適正な価格、そして光る個性。この6つを兼ね備えたキッチンライフのための快適な道具を皆さまにお伝えしたい」と語るチェリーテラス代表取締役社長の井手櫻子さんは、バーミックスとの出会いをきっかけに、「この素晴らしい商品を日本に広めたい」との思いから1983年にチェリーテラスを起業しました。美味しく、楽しく、健康的な食生活の実現を目指し、バーミックスやクリステルといった調理器具や日本ではまだ紹介されていなかったオリーブオイル、バルサミコなどの卓越した食品をいち早く見出し、料理教室やセミナー、ワークショップを通してその使い方、活かし方まで広く紹介しています。そんなチェリーテラスが、先に掲げた6つのコンセプトを体現したオリジナルの商品を企画・開発して、日本発の優れたキッチンウェアを世に送りだしているということをご存じでしょうか。

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チェリーテラスのオリジナル商品「oBon」は大中小の3サイズ、計7枚そろったトレイセット。和食にも洋食にもしっくりとなじむシンプルでモダンデザイン、無垢のタモ材の持つあたたかい質感、そしてすっきりと収納できる機能性が白眉。25,000円/チェリーテラス  ©チェリーテラス

角いもの、丸いもの、和風のもの、洋風のもの・・・・テイストや形がばらばらのおぼんを、すっきりと収納できる汎用性の高いものに、との思いで作られたoBonは大中小のトレーが7枚セットされたもの。「軽く、かさばらず、使いやすい江戸時代の小盆のイメージ。さらに3サイズすべてをすっきり収納させたい」。そんなチェリーテラスのコンセプトを、宮城壮太郎氏がデザインし、古くから発達してきた静岡の木工技術によって実現したロングセラーです。このoBonのほか、オールラウンドボウルズ、パームハウスグラスは、すべて宮城氏のデザインによるもの。心地よい使い勝手と、和洋共に違和感なく使えるニュートラルな印象のデザイン。使わないときの姿形も含め、すっきりコンパクトに収納できることを重視されています。

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ボウルとざるが各4サイズとサラダスピナー。毎日使う使用頻度の高い道具だからこそ、機能性、デザイン性、収納性にとことんこだわった「オールラウンドボウルズ」は、料理のプロフェッショナルたちにも愛用者が多いチェリーテラスのオリジナル商品。セットのみでなく単品での購入も可能。18,500円(セット価格)/チェリーテラス  ©チェリーテラス

「使いにくさを日々不満に思いながらも、なんとなくそのまま使うことが多いアイテム」と感じていた、ざるやボウルといった使用頻度の高い日用の調理道具を、チェリーテラス流に徹底的にこだわった結果、誕生したのがオールラウンドボウルズ。内側に調理に便利な目盛りが付いた、軽量で扱いやすいステンレス製のボウル。そして縁をフラットに始末し、脚の代わりに底にくぼみをつけたメッシュ網のステンレス製のざる。快適な使い心地と収納性を実現したこの2品は、新潟県燕三条の熟練職人の技術の結集によるもの。サラダスピナーのボウルは、耐熱ガラス製なので電子レンジでも使用可能。そのまま食卓にのせても美しいガラスボウルです。

 

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写真右からフルート(スパークリングワイン)、S(白ワイン)、M(赤ワイン)、Ⅼ(ロックや水割り)の4種のグラスをひとつに収納できる「パームハウスグラス・フルール」フルセットは、チェリーテラスの企画によりチェコのガラス工房で作られたグラスセット。ワインの旨味を引き出す機能性、形の美しさ、そして収納性までにこだわった逸品。8,000円/チェリーテラス  ©チェリーテラス

ールインワンの収納性にこだわった3つ目のアイテムはパームハウスグラス・フルール。4種のグラスをひとつに収納できるグラスセットは日常のテーブルにもおもてなしにも大活躍するもの。「お客様をお招きした後にグラスを洗うのが大変で・・・。ワインを美味しく香り良くいただくために、スペシャリストの方と飲み口の角度まで試行錯誤を重ねて作りました」と井手さん。デザインと企画は日本、制作は最高の技術を持つチェコのガラス工房により実現しました。

海外とコラボレーションしたもうひとつのオリジナル商品が、イタリア建築・デザインの巨匠マリオ・ベリーニがチェリーテラスのためにデザインしたパームハウス・ケトルです。「ケトルはキッチンの中で唯一収納の必要がない道具。キッチンのアクセントになる、見ていて楽しいものがよいなと。レンジの上にのっている姿に、鳥がとまっているような愛らしさを感じませんか」。楕円形という難しい形状のデザインの商品化を可能にしたのは、オールラウンドボウルズと同じく、燕三条の高度な金型製作の技術でした。

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(写真左)ハンドル付きで扱いやすいバーミックス専用の「ガラスピッチャー」 (写真中央)揚げる、蒸すの調理に便利なクリステルの「クッキングバスケット」(写真右)はクリステルと組み合わせて時短省エネ調理を可能にする「ホット・キルト」  ©チェリーテラス

ェリーテラスのバーミックスやクリステルが日本で長年に渡り愛され続けているのには、商品そのものの魅力に加えて欠くことのできない2つの理由があります。1つは、日本のライフスタイルに寄り添った(そこには離乳食から介護食までが含まれる)オリジナルのレシピ開発や料理教室、クッキングブックの存在。2つ目は、それぞれの商品が家庭のキッチンでより真価を発揮できるよう開発されたチェリーテラス独自のツールがあることです。例えば、バーミックスのハンドル付きのガラスピッチャーやミキシンググラス(側面の表記通りの材料を入れるとマヨネーズやドレッシングができあがる)といった専用容器や、クリステルのお鍋を購入する人の多くが同時に購入するクッキングバスケットやクッキングプレート。これらはすべてチェリーテラスが開発したメイドインジャパンの商品なのです。

今、日本のために自分たちのできる、役に立てることはないか。東日本大震災後、井手さんとチェリーテラスのスタッフが悩んだ末に生まれたオリジナル商品もあります。ステンレス製で保温力に優れたクリステルの鍋の特徴を利用して、料理の保温や予熱調理をこなす道具、ホット・キルトです。例えば朝、仕事に出かける前にカレーの材料を10~15分だけ煮て、このキルトに包んで出かけます。短時間の加熱でもホット・キルトの効果で材料に柔らかく火が通っているので、帰宅後に短時間で家族の夕食を整えることができるのです。そこには仕事を持つ母、忙しい主婦としての井手さんご自身の生活体験が生かされています。光熱費の節約、時短料理など様々な利点を持つこのホット・キルトをはじめとしたオリジナル商品には、チェリーテラスのコンセプトとして井手さんがあげた「機能性、高い品質、デザイン性、収納性、適正な価格、そして光る個性」に加え、井手さんのキッチン、そして家族と囲む食卓への惜しみない愛を感じずにはいられません。

 

チェリーテラスHP:http://www.cherryterrace.co.jp/

 

選・文 藤野淑恵

TOSHIE FUJINO エディター/ジャーナリスト

「W(ダブリュー)」日本版、「流行通信」、「ラセーヌ」の編集部を経て、2000年春に創刊した「Priv.(プライヴ)」(日経BP社発行)の編集長に。「日経ビジネススタイルマガジンDIGNIO」編集長、オウンドメディア「GENUIN(ジェヌイン)」の編集統括など、クオリティ・マガジンの編集に携わる。センテナリアン時代のクオリティライフ実現に向けて新しいライフスタイルやロールモデルを紹介し、BESPOKE LIVINGを提案することが現在のミッション。趣味・関心事はガーデンツーリズム、オペラツーリズム、ワインツーリズム、チーズ、ガンドッグ、庭造り、オールドローズ、ジェロントロジー、保護犬/猫など。