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株式会社ギンザのサヱグサ 代表取締役社長 三枝亮氏インタビュー《後編》

2019.02.06
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厳選したベビー&子ども服の販売を主軸とし、子どもたちのライフスタイルをトータルプロデュースする株式会社ギンザのサヱグサ。今回は代表取締役社長 三枝亮さんにお話をうかがいました。

環境省グッドライフアワード

ギンザのサヱグサの環境・社会活動「SAYEGUSA GREEN PROJECT」を通じて始まった、小滝米「コタキホワイト」の販売事業は、昨年、第6回環境省グッドライフアワードの環境大臣賞(企業部門)を受賞。お米を通じて里山の新たな価値を見出した取り組みが、高く評価されました。


小滝全景

 「栄村小滝は新潟県南魚沼に隣接する米どころとあり、小滝米の美味しさは昔から知られていました。もともと作付け量が少ないためほぼ地元で消費されていたのですが、復興支援と里山継承の目的で弊社がパッケージを工夫し、希少米としてサイトでの販売を行なっています。小滝と弊社が、里山継承という志を共にしてパートナーシップを築けたことも、評価された理由ではないでしょうか。今後も小滝の方々と共に、できることをひとつずつ積み重ねていきたいですね。明日の売り上げだけでなく、10年、30年、200年先を見据えた長期目線を持つことも、老舗として大切なことだと思うのです」 ※コタキホワイトwebサイト:http://kotakirice.jp/

grow with BOOKS

ベビー&子ども服以外にも、様々なプロジェクトにチャレンジしているギンザのサヱグサですが、活動の基本哲学は子どもの成長に役立つこと。その一環として、2017年10月には『grow with BOOKS』と題したブックプロジェクトをスタートしました。『grow with BOOKS』は、サヱグサの店内にある小さな本屋さん。ブックディレクターの幅允孝さんを選書のパートナーに迎え、年間75,000冊以上も発行されている本の中から、子どもたちの感性を刺激し、大人も一緒に楽しめる本を厳選して揃えています。


image: grow with BOOKS

「『grow with BOOKS』は、本を通じて子どもの感性を育む場を提供したいと思って始めたこと。絵本・童話はもちろん、写真集やグラフィックに優れたものなどさまざまな本を揃えています。子どもというのは親の背中を見て育つものですが、我が身を振り返ると、商人だった親の背中を見てきたため、将来音楽家やスポーツ選手、職人になろうという選択肢を持つことができませんでした。子どもが将来を選択する場面になった時、何か感性を刺激されるような経験が少なければ選択肢が限られてしまいます。日本の教育システムには将来を選択するための気づきや体験を与えてあげる取組みが足りないと思うので、私は子どもたちが意思決定する時に役立つような引き出しを広げてあげたいと思っているんです」

子どもの感性を育む体験を提供

創業150年の節目を迎える今年は、子どもたちに本物の音楽体験をさせてあげたいと、ゴールデンウィークに有楽町・国際フォーラムで3日間開催される音楽イベント「ラ・フォル・ジュルネ(La Folle Journée)」に参加。有料公演の半券で参加できる「子どもたちの音楽アトリエ」という参加型ワークショップの枠のひとつをサヱグサがスポンサードし、企画から携わる。

「ラ・フォル・ジュルネの今年のテーマである『ボヤージュ』に関係するクラシック楽曲を盆踊りバージョンにアレンジし、事前のワークショップでオリジナル楽曲を練習した子どもたちが、音楽家たちと一緒に大合奏、そのまわりを子どもも大人も一緒になって踊るというイベントです。プログラム名は『フォル盆 キッズバンド』。楽曲作りや振り付けには、子ども達も参加します」



0歳児からのコンサート ふれあいのシーン(写真上)こどもたちの音楽アトリエ(参加型コンサート)(写真下) ©︎teamMiura

プロの音楽家と一緒に楽曲を作るなんて子どもにはハードルが高いと思うかもしれないが、「世間は子供を子供扱いしすぎ。子どもは大人の想像を超える能力や感性を持っている。」というのが、三枝さんの持論。これからも子どもたちが“本物”の文化を体験できる場を作っていきたいと考えているそうです。

「銀座はたくさんの流行が生まれ、たくさんのカルチャーが生み出されてきた街。この特別な街で、私たちは事業の核である“子ども”というキーワードを、“未来への希望”と捉え直し、この街を見つめ続けてきました。創業150周年という節目を迎え、これからもファッションという分野に特別なこだわりを持ちながら、未来へ向かって持続可能な社会を実現するための「あたらしい」ことを積み重ねていきたい。ひとつひとつは小さくても、その先へと広がるのは、子どもたちの無限の可能性です」

 

 《前編》はコチラから

<プロフィール>

三枝亮(さえぐさ りょう)

株式会社ギンザのサヱグサ 代表取締役社長
1869年創業の子ども服の名店、ギンザのサヱグサ5代目社長。慶應義塾大学卒業後、銀行勤務を経て、2012年に家業であるギンザのサヱグサの経営を継ぐ。2017年4月に銀座店を銀座4丁目に移転。子どもたちに本物に触れる機会を作るため、自ら様々なプロジェクトを企画している。銀座を牽引する旦那衆のひとりとして町内会の活動にも携わる。

 

 

取材/島村美緒(プレミアムジャパン編集長)、文/小松めぐみ、写真(人)/山村隆彦