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地道な活動を通じて未来を見据える、“銀座人インキュベータ”《前編》

2017.12.27
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い力を活かす」。そんな耳ざわりのよい言葉をよく聞きますが、残念ながらそれが現実には実践されていないケースを今の日本ではよく聞きます。
商店街が街を運営している銀座には、商店や会社経営者を中心としたメンバーで構成される地元の青年団体「銀実会」があります。そのユニークな設立の経緯や活動を、現職の理事長(第66代)吉田明記さんにお話をうかがいました。

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座で生まれ育ちまして。泰明小学校の卒業生です。他に行くところがないんですよ(笑)」。銀座には現在、3,500人ほどの住民がいますが、吉田明記さんはそのお一人。ご先祖は1780年代に広島から東京・赤坂に移住。ほどなく銀座に移り、大家業や口入屋などを営んでいたそう。吉田さんで7代目になるそうです。関東大震災後の銀座復興時に銀座通連合会2代目会長として活躍された吉田幸次郎さんは、曾祖父にあたります。

「当会は今から65年前の昭和27年に設立されました。この時点で既に銀座には、町内会や通り会の組織は形成され銀座の街を運営していましたが、それらを横断した集まりがなかったそうです。そこで、エリアや業種などを越えた面の団体を若者で作ろうとなったとうかがっております。それが、この銀実会の始まりです」。銀実会の入会資格は、入会時に38歳未満で、銀座に住まいや事業所、店舗などの住所を持っていること。銀実会会員3名の推薦を受け、理事会で承認されることで正式な入会がかないます。

役会員は銀座2世、3世が約半分、あと半分が初代、つまり新しく銀座で自身の商売を始めた人たちです。商売をやってる方以外にも、医師や在住者も入会しています。以前は男性がほとんどでしたが、数年ほど前からは新入会員の半数は女性になりました」。

銀実会は40歳定年制。同会は銀座地域全体の意思決定機関である全銀座会に参加する団体のひとつですが、毎年理事長以下執行部のメンバーが入れ替わるのは、ここだけです。現在、現役会員は約60名、OB会員は約220名で、最年少現役会員は26歳、最高齢OB会員は91歳。今年40歳になった吉田さんも、2018年4月からはOBとなります。銀実会では会員同士の親睦を深めることはもちろん、「若い世代だからこそ」の銀座への貢献活動を行っています。我々も目にすることができるのは、イベントや防災訓練での警備や誘導をする姿。沿道などで、揃いのワッペンを付けた紺のブレザーにレジメンタルタイ(女性はリボン)をした銀実会のメンバー達を見かけることができます。「みなで考え、行動する」のがルールの銀座において、彼らは前線で立ち働く実働部隊なのです。



東京マラソンでの銀実会の活動の様子

えば東京マラソン。催し自体は東京マラソン財団が、交通は築地警察署が仕切りますが、銀座の裏通りの隅々まで知っている我々銀実会メンバーは道案内や警備・誘導などを担当します。当日来場された方にお手洗いやエレベーターの場所をご案内したり、店舗前に長らく立ち止まらないようお願いしたりしますね」。例年8月 初旬の日曜日に行われる「ホリデープロムナード ゆかたで銀ぶら」は銀実会にとっては数あるイベント中でも、特に重要な位置づけです。ゆかたや和装で銀座に来るお客に和のおもてなしをするこのイベントは、同会が企画から協賛集め、準備、告知、そして当日の運営までをすべて担当します。

「今年2017年は初めて、泰明小学校で櫓を組んで盆踊りをやったんです。校庭には『銀座梅林』『三笠会館』『銀座千疋屋』『銀座維新號本店』など、銘店の屋台がずらりと並び、ゆかたを着たたくさんのお客さまにお越しいただけました。最初、校長先生に相談に行った時は断られるかと思ったら、二つ返事でOKをいただきまして。卒業生だということで、配慮していただけたのかなと…。これで、ウチの娘は泰明小学校に入れなくちゃならないかも知れません(笑)」。

 

《後編に続く》


お話をうかがった人:吉田明記さん(銀座吉田株式会社 取締役)

2000年慶應義塾大学商学部商学科卒、(株)インテリジェンス入社後、2005年ノースカロライナ大学(グリーンズボロ校)大学院会計学修士課程修了(首席)、2008年入社、同年取締役就任。

 

インタビュー 編集長 島村美緒 文 木原美芽