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日本というテーマが、新しい“深み”を生む。冨永 愛さん 《前編》

2018.06.15
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日、2018年5月24日に、平成30年度「日本遺産」の認定が発表になりました。地域の歴史的魅力や特色を通じて日本の文化や伝統を語るストーリーを、文化庁が認定するというこの試みは、今年度で4年目を迎えます。今回の認定証交付式では、スタート以来初めて、東京ステーションホテルにて大がかりな記者発表会を実施。ここで2018年度に認定された13のストーリーを朗読したのが、モデルの冨永愛さんです。

遠く離れたことで気づいた、日本の魅力

台上ですらりとした長身を包んでいたのは、この式のために手配した丹後ちりめんの着物。全面にぼたんの花があしらわれた生地は裾に向かって色を増すピンク色で、壇上に立つ姿は、これまでの「海外で活躍してきたスーパーモデル・冨永愛」というイメージを鮮やかに裏切る日本的な美しさでした。

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平成30年度「日本遺産」認定証交付式で生朗読を行った冨永愛さん

「日本の文化や歴史を意識するようになったのは、海外のコレクションに参加するようになった10代の頃です。21世紀に入ってもなお、海外では『日本にはサムライがいるんでしょう?』と質問されることもあったんですよ。でもサムライはいないと答えられても、“サムライとは何か”の説明はできない。実は自分の国のことを何も知らないんだなと気づき、少しずつ学ぶ努力をしてきました」。

落ち着いた声でしっとりとストーリーを読み上げた冨永さん。「日本遺産」の知名度がまだまだ低いことを、とても残念だと言います。

「日本から離れてみて、日本の風景や文化、スピリットなどの美しさを、改めて実感した経験は大きいですね。『日本遺産』のストーリーでは、その背景の美しさに惹かれましたし、もっと深く、もっと色々な地域のことも含めて知りたいと感じました。私自身、『うわぁ、知らなかった、行ってみたい!』と強く思いながら、朗読していたんですよ。これからは世界遺産と肩を並べるほど、多くの人に知っていただきたい。だって、もったいないですよ!」。

業柄、最先端のファッションばかり着ていらっしゃるのかと思いきや、以前から着物もよくお召しになるとのこと。長身ゆえに男性用の反物から誂えるなどの工夫は必要ですが、その手間もまた楽しいのだそうです。

「ファッションは、文化です。洋服には洋服の歴史や魅力があるように、着物にもそれがある。平面の布地で直線を使いながらも立体的な身体を美しく包む着物は、本当によく考えられた衣服だと思うんです。私自身がもっと、日本のことを勉強したいこともあり、今後は、ファッションを含めた日本の文化を国内外の方により広く知っていただく活動のお手伝いも、させていただければと考えています」。


後編に続く》

 


冨永 愛(とみなが あい)

17歳でNYコレクションにデビューし、一躍話題となる。以後約10年間に渡り、世界の第一線でトップモデルとして活躍。その後、拠点を東京に移し、モデルの他、テレビ、ラジオ、イベントのパーソナリティなど様々な分野にも精力的に挑戦。日本人として唯一無二のキャリアを持つスーパーモデルとして、チャリティ・社会貢献活動や日本の伝統文化を国内外に伝える活動など、その活躍の場を広げている。
http://www.tominagaai.net/jp/

 

取材/島村美緒(プレミアムジャパン編集長)、文/木原美芽、写真/山村隆彦