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文化・高原公園都市を掲げる御代田町とビジュアルのプロフェッショナル「アマナ」が立ち上げた、フォトフェスティバルが開催中《前編》

2018.09.05
180817_浅間国際フォトフェスティバル_0045

 

 

御代田を写真の町へ!

2018年8月11日、長野県軽井沢の隣にある御代田(みよた)町にてこれまで日本では見たことないようなフォトフェスティバルが始まりました。TVCFの制作や、広告ビジュアルの撮影、ストックフォトのリーディングカンパニーとして業界内で知られている株式会社アマナが、文化・高原公園都市を掲げる御代田町と手を組んで仕掛けた町おこしプロジェクト「浅間国際フォトフェスティバル」です。今回はプレ開催ということで来年からの本格開催への前段ということですが、そのクオリティとスケール感には目を見張るものがありました。

 

本はカメラ大国と言われ、写真を撮影することは生活の一部のようになっていますが、海外に比べるとアートとしての写真を楽しんだり、購入するという習慣がまだまだ根付いていないそう。例えばフランスのアルルでは48年もの歴史のある有名なフォトフェスティバルが実施されているし、ブルターニュ地方にある人口わずか2,211人のラ・ガシィ(La Gacilly)という村には、会期中(4ヶ月)訪れる観光客数は40万人にも及んでいます。スイスのブベーでは町の人口17,000人に対してフォトフェスティバルの期間中は30万人もの人が世界中から集まるというのです。

今回のプロジェクトが実現に至った経緯を、御代田町の町長、茂木祐司さんと、このフォトフェスティバルの仕掛人である株式会社アマナの代表取締役 兼 アマナグループCEOの進藤博信さんに伺いました。(以後、敬称略)

 


「Cefalu Orange Yellow Blue」 2008  作家:マッシモ・ヴィターリ(建築家・谷尻誠とのコラボレーションによる展示)

ういう経緯でこのフォトフェスティバルを開催することになったのでしょうか?

茂木「以前1995年から16年間メルシャンウィスキー醸造所があり、それに隣接した美術館で絵画を展示していたのが閉館となってしまいました。町の中心地なので美術館の継承をしてくれる企業を探していたのですが、なかなか見つからず、一旦、御代田町が買い取ることになりました。」

 

  ォトフェスティバルがどういったものか、についてはイメージがあったのでしょうか?

茂木「2015年に進藤さんから、フォトフェスティバルについてのご提案がありましたが、その時点ではその知識はありませんでしたし、アマナさんのオフィスに伺ってアート写真を見せて頂いた時もイメージは湧きませんでした。でも実際に海外のフォトフェスティバルを見て、そのスケール感と集客力に圧倒されました。驚いたのが現場で写真を撮影している人を見かけなかったこと。写真をアートとして鑑賞するという文化が根付いていると感じました。ラ・ガシィに行って感じたのは、フォトフェスティバルに町全体で取り組んでいるところです。また自然に囲まれているところが、御代田と似ていると思いました。ただ御代田のような人口15,000人の小さな町では、このプロジェックトにコミットするのは、かなりの覚悟が必要でしたが(笑)」



(写真左上)「HDR_nature」 2016-2018、作家:水谷吉法
(写真右上)「The Theatre of Apparitions」 2016。作家:ロジャー・バレン (Roger Ballen)
(写真左下)「SCANNING #1」 2017 作家:藤原聡志
(写真右下)「An Incomplete Dictionary Of Show Birds」  2005-2014  作家:ルーク・ステファンソン(建築家・元木大輔とのコラボレーション作品)

 

 ベントのタイトルですが、「浅間国際フォトフェスティバル」となっていますが、この意味とは?

茂木「皆さんご存知のように、軽井沢には沢山の観光客が訪れています。元々避暑地ですが、有名な観光スポットに人が集中し、道路も混雑していますので、御代田のように周辺にこのフォトフェスティバルのようなイベントが実施されるのは、軽井沢を訪れるお客様にとっても新しい選択肢が生まれる、ということになるのです。今後は軽井沢など周辺を巻き込み、回遊するような仕組みにしていきたいですね。10年くらいかかってもいいので、写真をテーマにした地域にしていきたい。」


「文化・高原公園都市」を掲げる御代田町(所在地:長野県北佐久郡御代田町)の町長 茂木祐司さん

 年に向けての抱負は?

茂木「今回はボランティアで写真学校の学生さんが多く手伝ってくれていますが、今後はもっと大学や専門学校生にも参加してもらいたい。また今年を経験して、地元の方たちにもツアーガイドとして参加して頂きたいと思っています。本当の意味での町おこしにする責任がありますから」

《後編》は、株式会社アマナ 進藤社長のインタビューをお届けします。

 

▉ 開催概要

名 称:浅間国際フォトフェスティバル Return to Camera (カメラに帰れ)
会 期:2018年8月11日(土)~ 9月30日(日) 10:00~18:00 (入場は17:30まで)
会 場:長野県北佐久郡 御代田町馬瀬口1794-1(旧メルシャン軽井沢美術館 周辺エリア)
主 催:浅間国際フォトフェスティバル実行委員会
助 成:平成30年度 文化庁 文化芸術創造拠点 形成事業、オランダ王国大使館
後 援:信濃毎日新聞株式会社
協 賛:日穀製粉株式会社、信州ハム株式会社、大井建設工業株式会社、株式会社ひらまつ

H P: http://asamaphotofes.jp/

[実行委員長] 茂木 祐司(御代田町長)
[副委員長] 進藤 博信(株式会社アマナ代表取締役 兼 アマナグループCEO)
[エキシビションディレクター] 太田 睦子(『IMA』 エディトリアルディレクター)
[CO-エキシビションディレクター]アイヴァン・ヴァルダニアン(インディペンデント・キュレーター)  

 

取材・文/島村美緒(プレミアムジャパン編集長)、写真/関口尚志