日本語 | English | 简体中文 | 繁體中文

文化・高原公園都市を掲げる御代田町とビジュアルのプロフェッショナル「アマナ」が立ち上げた、フォトフェスティバルが開催中《後編》

2018.09.14
180817_浅間国際フォトフェスティバル_0081

 

 

御代田を写真の町へ! 

9月末まで長野県軽井沢の隣にある御代田(みよた)町にて行われている「浅間国際フォトフェスティバル」。TVCFの制作や、広告ビジュアルの撮影、ストックフォトのリーディングカンパニーとして業界内で知られている株式会社アマナが、文化・高原公園都市を掲げる御代田町と手を組んで仕掛けた町おこしプロジェクトです。今回はプレ開催ということですが、そのクオリティとスケール感には目を見張るものがあります。

 ジュアルコミュニケーション・エキスパートを企業コンセプトにしている株式会社アマナ。1979年に創業し、広告写真制作会社としてスタートしました。代表取締役社長 兼 グループCEOの進藤博信さんは、創業当時は広告や雑誌の撮影オファーが相次ぐ人気のカメラマンだったそうです。そんなクリエイターが売れっ子の段階で一線を退き、経営側にまわったのもユニークですが、その後ビジュアルコンテンツの企画制作だけでなく、ストックフォト、プラチナプリント(500年劣化しないプリント技術)、VR、3D CG、ドローン空撮、メディア・出版、など、ビジュアル制作の最先端の技術と高いクリエイティビティを持つ企業として次々と事業を拡大し、2004年には東証マザーズに上場。約1,000人もの社員を抱える企業へと成長を遂げました。クオリティにこだわることには定評があり、よく見かけるTVCFや、番組の美しい映像などはアマナのクリエイティブチームによって制作されたものが多数あります。

今回フォトフェスティバルを仕掛けた理由について、進藤社長に伺いました。

 
(写真左)「Selected Works」 2010-2018 作家:ジェシカ・イートン、(写真右)「水鏡」 2014 作家:鈴木理策

 

御代田町で開催することになった経緯は?

進藤「メルシャン軽井沢美術館には何度か行ったことがあったのですが、閉館してしまいもったいないと思っていました。アマナは写真からスタートした会社ですから、将来的には写真美術館をやりたいと思っていたのです。また美術館と周囲の環境がとてもよく、海外のフォトフェスティバルの雰囲気と似ていたことも理由の一つでした。」

 

進藤さんから茂木町長にアプローチされたと伺いましたが?

進藤「2015年に正式に御代田町にフォトフェスティバルについて提案しました。もちろん町おこしですから、町の知名度が上がり、集客が見込め、長期に渡って続けることができる、という条件がありました。」

 

うつゆみこの不思議なアート写真創作教室の様子

 

海外のフォトフェスティバルと今回の違いは?

進藤「日本はカメラ大国。写真大国との違いは、写真大国とはそれを鑑賞するという文化が定着していることだと考えます。日本は写真をアートとして鑑賞する文化がまだないので、今回のフォトフェスティバルのコンテンツを作るにあたり、記録という写真の原点から難解なアート写真まで、初心者から上級者まで楽しめるように、いくつかのポイントを作っていくのが大切だと思いました。大人だけではなく、子どもたちも楽しめるような体験型の作品や、親子で写真教室などのワークショップを用意しています。来年は子どもたちが参加できるプログラムを更に増やしていきたい。」

 

真って色んなことができることが伝わることが一番大切。スマホの中で収まってしまわない写真の面白さ、ということが伝われば。頭で考えるのではなく、感性で捉えていくというのが大切なのです。写真好きだなと思ってくれれば、情報は後から入手することができますから。」

 
ビジュアルコミュニケーション・エキスパートが企業コンセプトの(株)アマナ 代表取締役社長 兼 グループCEOの進藤博信さん

 

参加している写真家も海外や、若手、ベテランなどボリュームゾーンが広いのは意味があるのですか?

進藤「できるだけ日本の写真が世界に飛び立つ機会を作りたい、そのためベテランの力も借りたというスタンスです。若手の写真家を育成する、という意味もあります。48年の歴史があるアルルなどは全世界から写真家が集まるので交流の機会があります。御代田も将来はそのようにしたいですね。今年はプレなので、来年に向けて様々な課題を解決し、長く続くフェスティバルにしていきたいです。」

前編は、コチラから。

 

▉ 開催概要

名 称:浅間国際フォトフェスティバル Return to Camera (カメラに帰れ)
会 期:2018年8月11日(土)~ 9月30日(日) 10:00~18:00 (入場は17:30まで)
会 場:長野県北佐久郡 御代田町馬瀬口1794-1(旧メルシャン軽井沢美術館 周辺エリア)
主 催:浅間国際フォトフェスティバル実行委員会
助 成:平成30年度 文化庁 文化芸術創造拠点 形成事業、オランダ王国大使館
後 援:信濃毎日新聞株式会社
協 賛:日穀製粉株式会社、信州ハム株式会社、大井建設工業株式会社、株式会社ひらまつ

H P: http://asamaphotofes.jp/

[実行委員長] 茂木 祐司(御代田町長)
[副委員長] 進藤 博信(株式会社アマナ代表取締役 兼 アマナグループCEO)
[エキシビションディレクター] 太田 睦子(『IMA』 エディトリアルディレクター)
[CO-エキシビションディレクター]アイヴァン・ヴァルダニアン(インディペンデント・キュレーター)  

 

取材・文/島村美緒(プレミアムジャパン編集長)、写真/関口尚志