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すべては花にはじまり、花へと還る。ニコライ バーグマン 《前編》

2018.05.25
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連載「海外で活躍する日本人」。今回は、初の番外編「日本で活躍する外国人」をお届けします。最初の登場は、フラワーアーティストのニコライ バーグマンさんです。今年3回目となる福岡・太宰府天満宮での展覧会「HANAMI 2050 -花を愛で、未来を想う-」(2018年3月29日から4日間)を開催したバーグマンさんは、デンマーク出身で、来日して既に20年余り。彼のシグネチャーアイテムであるフラワーボックスアレンジメントをご存知の方も多いでしょう。そんなバーグマンさんの多岐に亘る活動と、今後の展開について伺いました。

 

「HANAMI 2050」を拝見しましたが、本当に素晴らしかったです。

宰府天満宮での展覧会は2014年から2年おきに開催し、2018年で3回目。今回は、太宰府天満宮、宝満宮竈門神社、志賀海神社、柳川藩主立花邸 御花の4会場で同時に行いました。回を重ねる毎に規模が拡大し、大変さも増えましたが、完成度も今回が最も高かったと思います。

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新作が100点以上。ピンクに染まった会場に春の華やぎを感じたのはもちろんのこと、アクリルやスチールなどの異素材、デジタルコンテンツやインスタレーションなど、貪欲に新しい表現に取り組まれていることも、大きな魅力でした。

2050年、つまり今から32年後の花見や神社の姿をイメージしながら、今展を創り上げていきました。従来通り、私が元々持つスカンジナビアンスタイルに日本の感性を融合させつつ、「未来の花見」をどう提示するか。楽しく、面白く、そして少々のプレッシャーも感じるチャレンジでしたね。

今回は「格好いい、かわいらしさ」を目指したんです。既にニコライ バーグマンをよくご存知の方にも、いい意味で驚いて欲しかったから。器で協力をいただいた作家さんにも、普段の作風とは少し違ったトライをしてもらいました。ガラスに桜を描いてもらったり、ピンクの漆器を作っていただいたり……。やはり私にとっては、“日本とのコラボレーション”に強く惹かれるのです。花材と器やデジタルコンテンツなどが美しくミックスし、かつ強いインパクトを生み出せるよう、心がけました。

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近年、太宰府天満宮は現代アートの発信拠点として、注目を集めています。

宰府天満宮の宮司である西高辻信良さんとそのご家族には、本当によくしていただいています。西高辻さんと圭子さんのご夫妻はオーラがすごいんです。キング&クイーンみたい(笑)。アートに造詣が深い息子さんの信宏さんを含め、みなさんのことが大好きです。3回目ともなると、太宰府天満宮の方々とウチのスタッフもとても仲良くなって、それもまた楽しかったです。

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バーグマンさんが展覧会を行う意義や成果、今後継続されるのかをお教え下さい。

のプロジェクトのために、丸2週間、他の予定をブロックして集中しました。多忙な通常業務の中ではできない、特別なことです。それだけの時間をかけて作品を作ることは非常に大変ですが、自分にとって大切なことでしたし、満足しています。

毎回、大勢の方が手伝ってくださいますが、今回は1日約100名、延べ数百人の方がボランティアとして入って下さいました。太宰府天満宮の剪定班のみなさんには、毎回私たちのチームの一員のようにご協力いただいているのですが、働き方も道具も素晴らしく、いつも舌を巻いています。「こんなものが欲しい」と私が言うと、さっと山に入って枝や竹などを取ってきてくれて。宮司さんもフレキシブルな方で、太宰府天満宮の屋根に長年生息する苔を使わせて下さったりしました。

しかしそれでも、展覧会は2年に1度、開催するのがやっとです。これまで秋、夏、春と季節を変えて行いました。次回は冬季を予定していますが、四季を巡ったところで、一旦ひと区切りをつけるつもりです。

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《後編に続く》

 


ニコライ バーグマン(Nicolai Bergmann)

母国デンマークでフローリストの資格を取得後、19歳で卒業旅行のために来日。1年後に再来日し、川越のフラワーショップで働き始める。2001年、有楽町で自身の一号店となる「ニコライ バーグマン フラワーズ & デザイン」を創設。その後、六本木、新宿などに店舗を展開し、現在は南青山のフラッグシップストアなど、国内外に12店舗のフラワーブティック、3つのカフェ、ジュエリーブランド、チョコレートショップを展開している。
www.nicolaibergmann.com

 

 

取材/島村美緒(プレミアムジャパン編集長)、文/木原美芽、写真/山村隆彦(人物)