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「花の詩人」と言われているフラワー・デザイナー竹中健次さん 米国で和の心と花の心を融合《前編》

2018.12.21
Takenaka_20181

ニューヨークで日本人の感性を生かし、モダンでシンプルそしてダイナミックな花を生けている竹中健次さん。前編では、ニューヨークでの仕事の仕方などについてお話しいただきました。

なぜ、フラワーデザイナーになったのですか。どのようなトレーニングを受けたのかですか。

実家が花とグリーンに関わる事業をしており、ハイアットリージェンシー大阪の花を手がけていたので、大学時代にアルバイトをしていました。その時にスタッフから白いチューリップの花束を頂き、それが凄く素敵でとても感激したのです。大学に行っていたのですが、就職するよりも花の世界に興味が沸いて。花の学校には行かなかったのですが、現場でトレーニングを受けました。そして、大学を卒業してから逗子のお花屋さんで無償で修行しました。大阪弁も直さなければならずかなり大変でしたが、2年間頑張りました。

その後、ニューヨークに来たのですね。

ニューヨークは好きな街でしたので、プライベートで何十回も来ていました。パリにも行きましたが、あまりしっくりしなかった。エネルギーとか人間くさいところが気にいって。ニューヨークの方が大阪に近い感じで居心地が良かったんですね。そしてご縁があり、ニューヨークのカーネギー・ホールからディスプレイの依頼があり、それを機会に2009年から会社を立ち上げ、活動を開始しました。


カーネギー・ホールのトップの人の結婚式のディナーテーブル

英語はどのように勉強したのですか。

親戚のおばさんがアメリカ人と結婚したのですが、その時に、そのアメリカ人となにもしゃべれなくて、凄く悔しかったのです。なので、どうしても話せるようになりたいと必死で勉強しました。どんな勉強もはっきりした目的があるほうが上達しますね。猛勉強したお陰で、ニューヨークに来たときもあまり苦労はしませんでしたが、今でもあまり多くを語らないので、もっとしゃべれといわれます。(笑い)

今はどんなクライアントがありますか。

ちょうど、2日前、カーネギー・ホールのトップの人の結婚式のディナーテーブル23卓に花を生けました。再婚同士でしたので、少し控えめですが。白とグリーンを基調にして生けました。


ユダヤ系結婚式の天蓋の花のディスプレー

ニューヨークは再婚も多いので、結婚式の機会が多いのでは。1度竹中さんに依頼して、気に入ったら、2度目もということがあるのでは(笑い)。

まだそれはありませんが(笑い)。結婚式のお花の依頼はやはり口コミが多く、参列者や家族、そしてブライドメイドたちが見ていますので、気に入ってくれると依頼が来るんです。花嫁だけでなく、参列者にも気に入って頂けると嬉しいですね。

他にはどんなクライアントのお花を手がけているんですか?

2015年にオープンしたミッドタウンのバカラホテルの2階のレストランに、バカラレッドの薔薇の丸いオブジェを製作しています。最初の1年半ほどは生の花で、現在はプリザードフラワーで3ヶ月に1回取り替えています。オープンの時に誰に依頼するか3人の候補があったのですが、生花だったので、僕は毎日通って手入れをしていたら、それも気に入られたようでオファーをもらいました。今年は1階の白の羽のクリスマスツリーと2階のバーのテラスに、クリスタルのクリスマスツリーも製作しました。その他はブルックリンのウィリアムベールホテル、ジョージ・ジャンセンなども続けてやっています。

ニューヨークで日本人がアメリカのトップクライアントの仕事を取ってくるのは難しくないですか。

セールスは現地のアメリカ人が担当しています。彼と出会ったのは、日本の四季を表現するイベントがあり、そこで生けた僕の花を見た彼が気に入ってくれて意気投合したのです。彼は自分でもお花をやっていたので、意見が合うのです。現地の人にセールスをしてもらうようになって、クライアントが増えました。


バカラホテルの薔薇のオブジェ

 

 

竹中 健次 フラワー・アーティスト

1974年大阪出身。実家の(株)竹中庭園緑化と逗子の花屋で技術を修得。2009年にニューヨークに会社を設立して活動を始める。カーネギーホールの‘”SEASON OPENING NIGHT CONCERT“の花を日本人として初めて手がける。メイシーズデパートのフラワーショーではアメリカトップ・フローラル・デザイナー6名に選らばれて店内で展示。2016年東京にSIKIRO NEW YORKという花屋をオープン。ホテル、ジュエリーショップ、個人邸などのフラワーデザイン、結婚式やイベントなどで花を生けている。

http://www.noirhanna.com/

 

取材・文 伊藤 操

繊研新聞ニューヨーク通信員、日本版ハーパス・バザー編集長を務める。現在は、ライター、アートプロデュサーとして東京とニューヨークで活動。著書;「ティナの贈りもの」「ダナ・キャランを創った男。滝富夫」「私をみつけて」「あなたを待ちながら」「Waiting For You」「NY失恋MAP」