日本語 | English | 简体中文 | 繁體中文

「花の詩人」と言われているフラワー・デザイナー竹中健次さん 米国で和の心と花の心を融合《後編》

2019.02.14
Takenaka_20183

ニューヨークで日本人の感性を生かし、モダンでシンプルそしてダイナミックな花を生けている竹中健次さん。後編では、花への強い思いをお話しいただきました。

あなたのスタイルは。何の花が好きですか。

単色でシンプルに見せるというスタイルです。その日の気分により、変わりますが、ランは基本的に大好きです。また青い花、ニゲラという花が好きです。色はブルーが好きですが、ブルーの花は多くはないのですが、ニゲラはちょっと宇宙的でピョンピョンしている不思議なムードが好きです。これは生けるのは難しいので、仕事では使いません。繊細すぎて目立たないので、個人的に楽しむのです。仕事ではやはりランを結構使いますね。


大好きなランを使ったテーブルアレンジメント

あなたにとって、和の心とは。

対応を丁寧にすること。自分たちで掃除もします。アメリカでは掃除の人は別だが、日本では後片付けをするのは当たり前ですので、自然にやっています。こうしたことも大事だと思います。僕は営業は苦手なのですが、花を生けるのは本当に楽しく、自分で足を運んで花をメインテナンスするのが好きなので、それがアメリカ人に日本的と思われるのかもしれません。バカラのときも他のクライアントの個人の家でもそうですが、自分で最終的に点検しないと気がすまないたちなので毎日のように、手入れに行っていて、驚かれて、気にいられて、レギュラーで仕事がくるということが結構あります。ですから、こうした丁寧さというのは日本人では自然だと思いますが、アメリカでも評価されるので、気を抜かずにやり続けていて良かったと思っています。

依頼人になんと言われたら嬉しいですか。

言葉よりも笑顔で手をたたいてくれる時があり、それが一番嬉しいですね。また男性から「今まで花に興味がなかったが、君の花を見るのを毎週楽しみにしている」と言われたことがあり、特に男性からそのように言われるのは嬉しいですね。

女性で花に関心のない人はいませんが、男性はあまり関心を示しませんから、男性から認められると嬉しいというのはよくわかります。その男性をあなたは新しい世界へ招待したことになるのですからね。

そうですね。会社のロビーに毎週生ける花で仕事に疲れた人が癒されたら嬉しいですね。張り合いになります。


丁寧にお花をアレンジしている竹中さん

東京でお店を開きましたが、ニューヨークで出すことはありませんか。

ありません。ホテルやお店、結婚式などのイベントでの仕事に集中する方が、やりたいイメージを表現できると思いますので。

ニューヨーク以外での活動はありますか。

米国のほかの都市でもやってみたいと思い、幸運にもサンフランシスコからいいオファーがあり、花を生けに訪問しました。しかし、花は生物で毎日変化するので、人に任せることも考えましたが、自分の性分として、自分ですべてやらないと気がすまないのです。このホテルの仕事は毎週の依頼だったのですが、ニューヨークを長期不在にすることができないため、断らざるを得なかったのです。ですので、住んでいるニューヨーク以外で仕事をするのは難しいです。

今、あなたのイメージのキャンドルを制作しているようですが、どうしてキャンドルを。

お花以外の商品も総合的に販売したほうがいいのではないかと考えたのです。キャンドルはムードもいいので、お花と合うのではないかなと思ったのです。ですので、日本で販売できるキャンドルをメイド・イン・ニューヨークで製作したいと考えています。

来年は10周年ですね。なにか計画はありますか。竹中さんの個展などやったらどうですか。10年間、この競争の激しいニューヨークでサバイバルすることは簡単ではありませんが、竹中さんはいいクライアントに信頼されていますし。

ああ、そうですね。10周年ですね。個展など考えたことはないですが、何か出来たらいいですね。

 

竹中健次 フラワー・デザイナー

1974年大阪出身。実家の(株)竹中庭園緑化と逗子の花屋で技術を修得。2009年にニューヨークに会社を設立して活動を始める。カーネギーホールの‘”SEASON OPENING NIGHT CONCERT“の花を日本人として初めて手がける。メイシーズデパートのフラワーショーではアメリカトップ・フローラル・デザイナー6名に選らばれて店内で展示。2016年東京にSIKIRO NEW YORKという花屋をオープン。ホテル、ジュエリーショップ、個人邸などのフラワーデザイン、結婚式やイベントなどで花を生けている。

http://www.noirhanna.com/

 

取材・文 伊藤 操

繊研新聞ニューヨーク通信員、日本版ハーパス・バザー編集長を務める。現在は、ライター、アートプロデュサーとして東京とニューヨークで活動。著書;「ティナの贈りもの」「ダナ・キャランを創った男。滝富夫」「私をみつけて」「あなたを待ちながら」「Waiting For You」「NY失恋MAP」