銀座「タヴェルナ グスタヴィーノ」で 絶品パスタに溺れるの巻銀座「タヴェルナ グスタヴィーノ」で 絶品パスタに溺れるの巻

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これを食べなきゃ人生ソンだよ

2023.7.21

銀座「タヴェルナ グスタヴィーノ」で 絶品パスタに溺れるの巻














そなたの名はパスタ、そうそれは、粉ものイタリアン!旨いパスタを食したい!というバッシーの欲望を満たすため、銀座「タヴェルナ グスタヴィーノ」へ。あれもこれもと、今日もフォークが止まらない!

 

 

 

 

 












ヰタ・パスタアリス?
わが舌は如何にしてイタリアンとなりしか!

筆者は大のパスタ好きである。外食でいちばん食べてきたものと言えば、ラーメンと蕎麦を除けば、間違いなくパスタ(イタリアン)だ。ある店に若い時分から少なくとも300回は通い詰め(マジで)、ありとあらゆるイタリア料理を食べた。小生のイタリアンの舌の基礎はこのようにして出来た。まー、そんなに誇るべきモンでもないが。

 

 

それがベースだとしたら、その舌の上にイタリア各地で食べたパスタの記憶が載っている。もちろん多くはシンプルなものだ。例えば、ソレントの信じられぬほど甘い夏トマトのポモドーロ、ローマのとろとろ濃厚なカルボナーラ、フィレンツェの滋味深い牛ラグーのパッパルデッレ、シチリアの鮮烈にハーブ香るカジキマグロのカールマカロニ、ナポリの目が覚めるようにシャープなボンゴレビアンコ(塩とオリーブオイルだけで作ったのに、べら棒に旨い!)などだ。




時には、種々のショートパスタを魚介ソースにぶち込んだものとか、トマトソースに覆われたヴェスヴィオ火山を模したものにナイフを入れると中から肉ダンゴが現れるリガトーニに出くわすこともあった。実に信じられぬ発想である。それらは途轍もなく旨かった。なので、一応、私の舌は、風貌から推察されるほどマヌケってワケではない(と思いたい)。念のため(笑)。





本場イタリアにも比肩する店
「タヴェルナ グスタヴィーノ」

 

 

余計な話をしすぎた。

 

 

こうした思いもよらぬパスタを別にすれば、日本の旨いパスタはイタリア本国と較べても優るとも劣らない。その一軒が「タヴェルナ グスタヴィーノ」である。松川良太氏がオーナーシェフを務める店だ。京橋に店を開いた後、銀座に居を移してから11年になる。

 

 

京橋以前の修業時代には、イタリアのピエモント州を皮切りに、エミリア・ロマーニャ州、トスカーナ州、プーリア州、シチリア州など、北から南までを巡った。

 

 

各地で腕を磨いたということは、イタリアの多くの土地の料理がその体に溶け込んでいることを意味している。血となり肉となっているのだ(その血の半分は、ソムリエでもある彼が大好きなフランチャコルタとバローロかもしれぬ。笑)。パスタに限らず、メニューの豊富さは、イタリア各地の地方料理を想起させる。








ということは、イタリア料理のベースはゆるぎないがゆえに、どんな素材でもドンと来いということだ。松川さんのパスタを食べて感じたのはそれである。

 

 

その証拠に、松川さんのパスタには日本の食材がふんだんに盛り込まれている。時期によって変わるが、中でも驚かされるのが、さばのみりん干、豚バラ、ミョウガ、ゴーヤ、オクラ、白菜などを大胆不敵に使っていることだ。「旬の野菜を取り込むことを心掛けている」とシェフが話すように、日本の野菜はもちろんのこと、様々な魚介や肉を手の内に収めている。

 

 

パスタというのはそもそも自由度が高いものなのである。「納豆入りのタラコ」まで行ってしまうと(それはそれで旨いのだが)、日本料理としか呼べない。しかし、イタリアンの骨法――つまりイタリア料理の韻――を守りさえすれば、パスタの素材のバリエーションはそれこそ無限大なのだ。

 

 

メニューの充実度からして、シェフは相当なパスタ好きだ。小躍りしたくなるではないか。




トマト系からクリーム系まで
怒涛のパスタ5連発!

 

 

例えば、自信作の「北海道産 塩水生うにとチェリートマト」。まず、太めのパスタがいい。噛み応え十分で小麦の味も際立つ麺だ(昼と夜でパスタは変わる。筆者は夜のファエッラという麺がより好みだ)。ほのかに甘いウニとチェリートマトの程よい酸味が混然一体をなすソースが、トロリンと麺を包み込む。クリームではなくウニでのばしたところが秀逸なのだ。ねっとりするとても濃厚な感じがいい。塩味もビタリと決まっている。これは傑作!

 

 

続いて「アラビアータ」。ご存知、辛みを効かせたトマトソースのパスタだ。トマトとオリーブオイルは一体となり(それが重要)、ニンニクが効いていて切れ味がある。安心の旨さだ。同じトマトソースでグアンチャーレ(豚頬肉の塩漬け)とペコリーノ・ロマーノで作る「アマトリチャーナ」は、こなれた自家薬籠中のものの感あり。いいねえ。シェフが作るトマト系は際立っている。






「北海道産 塩水生うにとチェリートマト」 「北海道産 塩水生うにとチェリートマト」

「北海道産 塩水生うにとチェリートマト」









アラビアータ アラビアータ

「アラビアータ」






アマトリチャーナ アマトリチャーナ

「アマトリチャーナ」






クリーム・チーズ系もヨシ!

 

 

「ポルチーニとパンチェッタ」はクリーム・チーズ系のパスタ。夏から秋口まではポルチーニ茸の季節だ。スペイン産パンチェッタの旨味と塩味とがオイルに溶け込み、さらにそれをポルチーニの香気が覆う。大好きなタイプのパスタだ。実に旨い! ポルチーニをチーズと卵に替えれば「カルボナーラ」となる。ニンニクが濃いのはイタリア南部の特徴で、これも良かった。

 

 

 

筆者は、ソースが凝っていてどれだけ旨かろうとも、30グラムぐらいの、一口で終わってしまうようなチンケなパスタが出てくると、「そんなんじゃ、ぜんぜん足んねえわ」と心中で毒づいてしまう。その点、松川さんのパスタは盛りが良くて、塩味も効いている。いわば、イタリアのガツン系のダイナミズムを思い出させるのである。線が細く頭でっかち秀才のそれではない。雄渾なパスタなのだ(作る本人はスマートなのに)。








ポルチーニとパンチェッタ ポルチーニとパンチェッタ

「ポルチーニとパンチェッタ」








カルボナーラ カルボナーラ

「カルボナーラ」








最初に訪れた日は2人で来て、3種のパスタを頼んだら、もうこれ以上は食えんという状態になった。パスタランチはサラダとパンがついて1500円。それを銀座で味わえるのだから、とてもお値打ちとは言えまいか。客足が途切れないのもわかる。

 

 

ついでに言っておくと、デザートもかなりイケてる。甘さ控えめの「ティラミス」は切れ味鋭く、ちょっと他にないぐらい旨い。ムースとプリンの中間のようなチョコレートの「ボネピエモンテーゼ」も滑らかでとても旨い。パスタを3品食べた後でも、デザートだけは絶対に逃さないことをお薦めする(笑)。

 

 

今回はパスタをクローズアップしたが、当店は本格的なイタリア料理店であってパスタ専門店ではないので、その点、誤解なきよう。前菜からメイン、デザートに至るまで、次はどうしてくれるのかと楽しくなるタヴェルナである。






タヴェルナ グスタヴィーノ

東京都中央区銀座1-5-7 アネックス2福神ビル B1F
03-6228-7608

営業時間:11:30~14:30、18:00~20:00(L.O)閉店21:00

定休日:日・祝日

 

 

スパゲッティ各種(メニューは入れ替わる)
パスタランチ 1500円
北海道産 塩水生うにとチェリートマトのスパゲッティ はプラス1000円
当店自慢のティラミス 1000円
ボネピエモンテーゼ 1200円
ランチタイム用のコース 4300円(税別)

(※昼と夜では値段は変わることがあるので、要確認)





「これを食べなきゃ人生ソンだよ」とは
うまものがあると聞けば西へ東へ駆けつけ食べまくる、令和のブリア・サバランか、はたまた古川ロッパの再来かと一部で噂される食べ歩き歴40年超の食い道楽な編集者・バッシーの抱腹絶倒のグルメエッセイ。



筆者プロフィール

 

食べ歩き歴40年超の食い道楽者・バッシー。日本国内はもちろんのこと、香港には自腹で定期的に中華を食べに行き、旨いもんのために、台湾、シンガポール、バンコク、ソウルにも出かける。某旅行誌編集長時代には、世界中、特にヨーロッパのミシュラン★付き店や、後のWorld Best50店を数多く訪ねる。「天香楼」(香港)の「蟹みそ餡かけ麺」を、食を愛するあらゆる人に食べさせたい。というか、この店の中華料理が世界一好き。別の洋物ベスト1を挙げれば、World Best50で1位になったことがあるスペイン・ジローナの「エル・セジェール・デ・カン・ロカ」。あ~、もう一度行ってみたいモンじゃのお。

 



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