銀座 松崎煎餅8代目店主の松崎宗平

Lounge

Tokyo, 7 p.m.

松崎宗平のGINZA 夜7時

2019.5.23

ふわりと風に揺れる銀座の柳を横目に、「銀座升本」ののれんをくぐる夜7時。生まれ育った街・銀座ならではの情緒と共に、いつもの一杯。

文化元年(1804年)に創業、慶応元年(1865年)より銀座に店を構える煎餅店、「銀座 松崎煎餅」。8代目店主の松崎宗平さんは銀座で生まれて10歳まで暮らした。本社と本店もある銀座は、まさに我が庭だ。老舗から最先端まで、この町の新旧スポットを知りつくした松﨑さんが選ぶ夜の銀座のお気に入りは、昭和の風情のある心地よい居酒屋だ。


銀座を象徴する、ゆるぎなく、いつもある店

銀座4丁目から並木通りを京橋方面に歩いてしばらく、昔ながらののれんが懐かしさを呼び起こす居酒屋「銀座升本」がある。1階と2階があり、どれもこれも頼みたくなる豊富なメニューに、さっぱりとした江戸風なサービスが魅力の、大衆的な飲み屋さんだ。

 

並木通りに面した「銀座升本」の暖簾をくぐる。松崎さんがこの店を好きなのには理由がある。時代が変わり、どんなに変貌しても、新旧がきちんと共存するのが銀座という街。「銀座升本」はまさにそれを体現し、象徴する店だからだ。

 

「プライベートで来るより、青年会や町会の集会の後、みんなで流れて、いつの間にかここに来ているということが多いですね」と、サワーをひとくち。


「銀座升本」3代目の三保谷建介さんと。2階にも窓に面してカウンター席がある。 「銀座升本」3代目の三保谷建介さんと。2階にも窓に面してカウンター席がある。

「銀座升本」3代目の三保谷建介さんと。2階にも窓に面してカウンター席がある。


気取らず心地よいこの店に連れてきたい人とは

この店の3代目・三保谷さんも銀座生まれ銀座育ち。松崎さんとはお互いをよく知る仲だから、心おきなくくつろげる。三保谷さんと近況報告をしながら、お酒も箸も進む。いつも頼む酒の肴は、しめ鯖にマカロニサラダ。この品書きが「いかにもこの店らしい肴」だと思う。この日は人気の一品、丸くてジューシーなハムカツも加わった。

 

銀座の若旦那衆と話していて一同、そうそう!とひざを打つことがある。銀座にはデートにふさわしい、おしゃれな店もたくさんあるけれど「本当に結婚したいと思う女性を連れてくるなら升本だよね」と。気取らず、居心地よく、いつもの自分でいられ、しかしまぎれもなく「銀座」。だからこそ貴重な店だ。

 


新しさと古さが共存する銀座に、升本のネオンが浮かびあがる。 新しさと古さが共存する銀座に、升本のネオンが浮かびあがる。

新しさと古さが共存する銀座に、升本のネオンが浮かびあがる。


銀座っ子との交流、そして新しい刺激もある夜の銀座

子ども時代、銀座に住む松崎さんの周囲には子どもが少なく、友達はいなかった。だが、銀座は団結力の強い街。通りごと、また町内ごとのつながりを大切にし、集会や会合が多い。「今は銀座の若旦那たちとも仲良くさせてもらっています。もっと早く知り合っていればよかった」と語る。

 

若いころ遊んだ渋谷もいいけれど、落ち着ける大人の街、銀座が好きだ。でも、刺激的な場所もある。昨年できた商業ビル、キラリトギンザの最上階にある大型クラブ「PLUSTOKYO」に遊びに行くようになった。これまでの銀座にはなかった、本格的な音楽とアートが楽しめるクラブが気に入って、よく通っているという。いわゆる「夜の銀座のクラブ」には?「父も僕もほとんど行きません」。

 

人、もの、空間の古今が調和して、銀座はその個性と魅力をますます輝かせている。

 

松崎宗平 Sohey Matsuzaki

銀座 松崎煎餅8代目店主

1978年生まれ。東京都中央区出身。ベンチャー企業でウェブデザインなどの仕事を経て、2006年に家業の株式会社松崎商店(屋号:銀座 松崎煎餅)に入社。伝統を大切にしながら将来を見据え、新しい魅力ある製品開発に積極的に取り組む。プロミュージシャンでもあり、バンド「SOUR」のベーシストとして国内外でライブ活動も行う。
https://matsuzaki-senbei.com/

銀座升本

昭和28年に創業した居酒屋。2代目の父と建介さんの弟で板前の和大さんが1階を、建介さんは2階を担当し、店を切盛りしている。昼はぶりの照り焼きや唐揚げなどの定食が人気。夜は日本酒、ビール、焼酎、ワインと料理も豊富にそろう。予約可。20名からの貸し切りも可能。

東京都中央区銀座1-4-7
昼:11:15~13:15(ご飯がなくなり次第終了)、夜:17:00~21:30
定休日:土日祝日
http://www.ginzamasumoto.com/

PLUSTOKYO

地下鉄・有楽町線銀座一丁目駅のすぐ近く「キラリトギンザ」の12階にあるミュージックラウンジ。ホテルのラウンジをイメージしたソファエリアでランチやカフェタイムを楽しみ、夜はダイニングとバー、クラブとして、オールラウンドに使いこなせる。(クラブイベント時には、チャージ等がプラスされるため要確認)。

東京都中央区銀座1‐8‐19 キラリトギンザ12階
https://plustyo.com/

Text by Misuzu Yamagishi
Photography by Ahlum Kim

Tokyo, 7 p.m.

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