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一乗谷朝倉氏遺跡と一乗谷城 :「美しき城」 vol.31 萩原さちこ

2016.08.29

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映画やCMでもおなじみの、趣きある復原町並

現在の一乗谷には、かつて壮絶な出来事があったとは思えない静かな時間が流れます。山麓には居館跡が整備され、復原町並がよみがえっています。復原町並はCMや映画のロケ地としてもよく登場しますから、見覚えのある人も多いでしょう。

一乗谷川を挟んだ東側が、朝倉氏の館跡です。まず目に入るのが、一乗谷朝倉氏遺跡のメインビジュアルである桃山様式の唐門。居館の門ではなく、義景の善提を弔うために建立された松雲院の正門です。豊臣秀吉が移築寄進したものとも伝わり、見上げると朝倉家の家紋が確認できます。

山麓の居館跡は、あくまで生活し政治を行う館があった場所です。背後にそびえる標高475メートルの一乗谷山に、一乗谷城という城があり守りを固めていました。越前の中心に位置する地勢に加え、東・西・南の三方に支城を置き、北は河川に守られた防御に適した立地からも、朝倉氏がここに拠点を置いた理由がうかがえます。登山の装備が必須の難易度が高い山城ですが、連続堅堀などの遺構も残る、山城ファンなら一度訪れておきたい城です。さすがは名門・朝倉氏の城と感服させられます。

■お問い合わせ
福井市城戸ノ内町
TEL: 0776-41-2330(一般社団法人 朝倉氏遺跡保存協会)

取材・文・写真/萩原さちこ

【萩原さちこの〈美しき城〉】一覧記事はこちら
https://www.premium-j.jp/sachiko-hagiwara/

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《プロフィール》

萩原さちこ

城郭ライター、編集者

小学2年生のとき城に魅了される。日本人の知恵、文化、伝統、美意識、歴史のすべてが詰まった日本の宝に虜になり、城めぐりがライフワークに。執筆業を中心に、テレビやラジオなどのメディア出演、イベント出演、講演、講座のほか「城フェス」実行委員長もこなす。著書に『わくわく城めぐり』(山と渓谷社)、『戦国大名の城を読む』(SB新書)、『日本100名城めぐりの旅』(学研パブリッシング)、『お城へ行こう!』(岩波ジュニア新書)、『図説・戦う城の科学』(サイエンス・アイ新書)など。2016年9月9日に新刊『旅好き女子の城萌えバイブル』(主婦の友社)、10月8日に『城めぐり手帖「現存天守編」〜自分だけのトラベルノート』(技術評論社)発売。共著、連載多数。公益財団法人日本城郭協会学術委員会学術委員。公式サイトhttp://46meg.com/