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「美しき城」 vol.53

津和野城の城下町:城郭キュレーター 萩原さちこ

2017.02.06

rd1700_tsuwano-5rd1700_tsuwano-6rd1700_tsuwano-7関ヶ原合戦後に生まれ変わった城と城下町

現在の津和野城は、関ヶ原合戦後に吉見氏が去った後、徳川家康から3万石を与えられた宇喜多秀家家臣の坂崎直盛が大改築したものです。1601(慶長6)年に直盛が津和野に入り、津和野藩が成立しました。壮大な石垣も、直盛によるもの。直盛は兵器や戦術、社会情勢の変化に応じた近世の城へと津和野城を変貌させました。

翌年には、城下町づくりにも着手しています。検地を行い、城の大手(正面)も入れ替えました。西側の大手を東側に移すことで、武家の居住区や集落、市場などを集中させ城下町の繁栄を推進。自らの居館や役所は殿町に置き、家臣団を城山山麓へ住まわせ、町人町や商家町を配置しました。碁盤の目のように水路や通りが張り巡らされた城下町は、こうして誕生したのでした。

城を累々と囲む圧巻の石垣は、いずれも高く見ごたえがあります。西門跡のどっしりとした風格、苔蒸す本丸(三十間台)西側の風情、地形に沿った曲線美、古めかしい積み方ながら隅角が整えられた太鼓丸北西側の凛々しい姿など、さまざまな表情が見られます。とりわけ必見は、壁のように立ちはだかる人質郭南側の高石垣です。

 

■お問い合わせ
住所:島根県鹿足郡津和野町後田
TEL: 0856-72-1771(津和野町観光協会)

 

取材・文・写真/萩原さちこ

【萩原さちこの〈美しき城〉】一覧記事はこちら
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《プロフィール》

萩原さちこ

城郭ライター、編集者

小学2年生のとき城に魅了される。日本人の知恵、文化、伝統、美意識、歴史のすべてが詰まった日本の宝に虜になり、城めぐりがライフワークに。執筆業を中心に、テレビやラジオなどのメディア出演、イベント出演、講演、講座のほか「城フェス」実行委員長もこなす。著書に『わくわく城めぐり』(山と渓谷社)、『戦国大名の城を読む』(SB新書)、『日本100名城めぐりの旅』(学研パブリッシング)、『お城へ行こう!』(岩波ジュニア新書)、『図説・戦う城の科学』(サイエンス・アイ新書)など。2016年9月9日に新刊『旅好き女子の城萌えバイブル』(主婦の友社)、10月8日に『城めぐり手帖「現存天守編」〜自分だけのトラベルノート』(技術評論社)発売。共著、連載多数。公益財団法人日本城郭協会学術委員会学術委員。公式サイトhttp://46meg.com/