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やまなみ街道~森の息吹を浴びる癒しの街道〜広島・島根への旅《中編》

2018.11.11


大しめ縄創作館の入り口に飾られた立派なしめ縄

やまなみ街道はスローライフの大切さに気づく道。奥出雲の飯南町でしめ縄を作り、雲南市のワイナリーでゆったりと過ごす贅沢な午後。ひとつのことに手間ひまをかけ、自然とともにおおらかに暮らすこと。それが人生の質を高める秘訣だと奥出雲の豊かな自然と文化が語りかけてくるようです。

奥出雲でしめ縄作りを楽しむ〜大しめ縄創作館

神聖な領域と俗世を隔てる結界、しめ縄。中でも日本最大級の結界といえば、出雲大社神楽殿のしめ縄です。直径1.2m、長さ13.6m、重さ5.2tに及ぶ、あの大蛇のごときしめ縄は奥出雲飯南町の「大しめ縄創作館」の工房で制作されています。飯南町は、全国の神々を迎える町。出雲に神々が集まる旧暦の10月、神々はこの町の琴引山に降臨し、出雲大社へ向かわれます。また、この町に出雲大社の分院があったことから住民の手でしめ縄が作られ、昭和30年代から出雲大社に奉納されるようになりました。

年7月、大しめ縄の奉納が行なわれたばかりです。しめ縄の外側に使われているのは人の背丈ほどある古代米の藁、内側は一般の米の藁。大しめ縄にはおよそ1.5ヘクタール、甲子園球場ほどの田んぼが必要なのだとか。出雲大社から要請が来るのは6、7年に一度。依頼を受けると、田植えの準備が始まります。今回奉納した大しめ縄は、およそ1年半の時をかけ、のべ800人もの人の手を経て完成したそうです。

「大しめ縄創作館」ではしめ縄作りを見学できる他、しめ縄作りの体験も可能です。日本神話に想いを馳せながら、古代米の藁を編み込む心静かなひと時。出来上がったしめ縄は、ちょっぴり不格好。それだけに愛おしさを感じます。



古代米の丈は大きく約160cm。左側が古代米、右側が一般的な米の藁。(写真左) 12本ほどの古代米の藁を三分割し、分割した藁をねじってまとめ、三つ編みにして縄を編む。(写真中上) 編み終わったら両手で転がし、力を加えて縄の形を安定させる。(写真右) 三重にまいて出来上がり。(写真中下)

 

低農薬に挑むワイナリーで自然の恵みを味わう 〜 奥出雲葡萄園

根県は美味しいぶどうの産地。雲南市の山あいに、今、中国地方で最も注目されているワイナリーがあります。 低農薬のワイン造りに挑戦する「奥出雲葡萄園」。 自然環境を乱さないことをポリシーとするこのワイナリーでは、日本の山ぶどうの交配品種を主体に、シャルドネなどのヨーロッパ品種の栽培を行ない、年間5万本を生産しています。どれも、愛好家好みの辛口のワインです。


寒暖差が大きく日当りは良好。葡萄菜園に適した葡萄畑。(写真左)木造建築の落ち着いた佇まいのワイナリー。(写真右)

ゲストハウスは、シックで洗練された白壁の木造建築。地下には熟成を待つワインの樽が並ぶワインセラーと、地元のアーティストの作品を紹介するギャラリーまでもが併設されています。

ートを愉しみ、レストランで地元の食材をふんだんに使ったスローフードをワインと共に味わう昼下がり。時の流れが止まったような感覚を覚える「奥出雲葡萄園」は、出雲の豊かなスピリットに出会える一粒の宝石のようなワイナリーです。


シックで洗練された白壁のゲストハウス。

 
ワインに良く合う地元の食材を使ったランチプレート。(写真左上)地下のギャラリーに展示されたアート作品。(写真右上)ショップにはシャルドネ、カベルネソーヴィニヨン、オリジナルの奥出雲ワインなどが並ぶ。テイスティングも可能。(写真左下)ワインセラーがある地下にはレストランも。ワインの温度調整をのために壁はモダンなコンクリートに。(写真右下)

 

前編》《後編》はコチラから

 

■大しめ縄創作館
島根県飯石群飯南町花栗54-2
Tel:0854-72-1017
https://ohshimenawa.com/

■奥出雲葡萄園
島根県雲南市木次町寺領2273-1
Tel : 0854-42-3480
http://www.okuizumo.com

 

取材、文/北澤杏里