浄土宗開宗850年を迎える2024年、その美術と歴史を鎌倉時代から江戸時代まで通覧する史上初の展覧会「法然と極楽浄土」が東京国立博物館にて開催される。会期は2024年4月16日(火)から6月9日(日)まで。


「五百羅漢図」 狩野一信筆、江戸時代・19世紀、東京・増上寺蔵 ※会期中全100幅のうち、24幅を展示予定(展示替えあり)
(左)第24幅 六道 地獄 4/16(火)~5/12(日)展示
(右)第57幅 神通 5/14(火)~6/9(日)展示
南無阿弥陀仏と称えることによって誰もが等しく救われ、極楽浄土に往生できると説いた法然。その教えは貴族から庶民まで多くの人々に支持され、現代にいたるまで連綿と受け継がれている。
本展では浄土宗開宗から徳川将軍家の帰依によって大きく発展を遂げるまでを、浄土宗ゆかりの名宝の数々を中心に紹介。


重要文化財「徳川家康坐像」 江戸時代・17世紀、京都・知恩院蔵 4/30(火)~6/9(日)展示
見どころのひとつが関東浄土宗寺院の宝物だ。幕末の絵師、狩野一信が晩年におよそ10年の歳月をかけて制作した増上寺に納められた「五百羅漢図」全100幅のうち、24幅を展示。また、浄土宗に帰依した家康が自身の指示で造らせた、重要文化財の「徳川家康坐像」も展示する。


国宝「阿弥陀二十五菩薩来迎図(早来迎)」 鎌倉時代・14世紀、京都・知恩院蔵 4/16(火)~5/12(日)展示
さらに、国宝「阿弥陀二十五菩薩来迎図(早来迎)」を修理後初公開。阿弥陀三尊と聖衆らが右下の家屋に座る往生者を迎えに向かってくる様を描いた、鎌倉時代に制作された仏画の傑作のひとつは、3年間にわたる本格修理が完了。画面全体が明るく見やすくなった。


国宝「綴織當麻曼陀羅」(部分) 中国・唐または奈良時代・8世紀、奈良・當麻寺蔵 4/16(火)~5/6(月・休)展示(画像提供:奈良国立博物館)
ほかにも、蓮糸で織られた伝説をもつ究極の極楽浄土図、国宝「綴織當麻曼陀羅」(部分)、本尊を最大・最詳に写した江戸の極彩曼荼羅、重要文化財「當麻曼陀羅図(貞享本)」も展示。


「仏涅槃群像」 江戸時代・17世紀、香川・法然寺蔵、通期展示
釈迦入滅の場面を77体の群像で構成した壮大なスケールの「仏涅槃群像」のうち、釈迦の釈迦の涅槃像と羅漢、八部衆、動物など 26体も展示される。


(左)松本幸四郎さん ©PHOTOGRAPHER:AKIRA MAEDA ©SHOCHIKU ENTERTAINMENT
(右)市川染五郎さん ©Kurigami ©SHOCHIKU ENTERTAINMENT
展覧会の音声ガイドナビゲーターを務めるのは、歌舞伎俳優の松本幸四郎さん、市川染五郎さん。展覧会の見どころや作品の魅力についての解説にも注目したい。
困難な時代に分け隔てなく万人の救済を目指した法然と門弟たち。彼らの生き方や、大切に守り伝えられてきた文化財に触れられる貴重な機会となっている。ぜひ、会場に足を運んでみてはいかがだろうか。
◆特別展「法然と極楽浄土」
【会場】東京国立博物館 平成感
【会期】2024年4月16日(火)~6月9日(日)
※会期中、一部作品の展示替えを行います
【開館時間】9:30~17:00
※ただし4月29日(月・祝)、5月6日(月・休)は開館
【観覧料】一般 2,100(1,900)円、大学生 1,300(1,100)円、高校生 900(700)円
※( )内は前売料金
※前売り券は4月15日(月)までの期間限定発売
※中学生以下、障がい者手帳をご提示の方とその付添者(1 名)は無料。
それぞれ入館の際、学生証等の年齢がわかるもの、障がい者手帳等をご提示ください
【問い合わせ】 050-5541-8600 (ハローダイヤル)
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