人間国宝の染織家・志村ふくみの70年にわたる表現の軌跡をたどる特別展「志村ふくみ 百一寿 ―夢の浮橋―」が、京都・細見美術館にて2026年5月31日(日)まで開催中だ。
《月の湖》 1985年 絹糸/藍、玉葱 【前期展示】
紬織の重要無形文化財保持者(人間国宝)であり、随筆家としても広く知られる志村ふくみ。本展では、志村の近年の特徴的なテーマを中心に構成。作品と紡がれた言葉を交えながら、色彩、生命、自然への尽きることのない思索をたどる。
《朧月夜》 2025年 志村ふくみ監修 制作 都機工房 絹糸・金糸/紫根、藍、刈安、臭木 【通期展示】
《若紫》 2007年 絹糸/紫根、茜 【前期展示】
みどころのひとつが、70代半ばから連作を手がけてきた『源氏物語』から生まれた色と着物。作品のタイトルは各帖からとられ、物語から感じる香りや響き、言葉では言い表せない情感を、美しい色と織りで表現している。
小袖《Francesco》 2020年 志村ふくみ監修 制作 都機工房 絹糸/臭木、藍 【前期展示】
さらに島原の乱後の天草を舞台に、死と再生を描く作家・石牟礼道子原作の新作能『沖宮』の能装束も、6領すべてを展示。緋色を追求し、 紅花で染めた主人公あやの舞衣《紅扇》 と、天草四郎の小袖 《Francesco》 は関西初公開となる。
《五月のウナ電》 詩:高村光太郎 書・裂:志村ふくみ 【後期展示】
《風露》 2000年 絹糸/紅花、藍、刈安、紫根 【後期展示】
80代に入り生み出したコラージュ作品にも注目したい。使われているのは、志村が長年大切に保管してきた着物の残り布や小さな端切れだ。高村光太郎の詩に感動して筆をとり、小裂で飾った《五月のウナ電》や着物の雛形、裂帖などが並び、豊かな創造の世界を紹介する。
《雛形 紫格子白段》 2006年 絹糸 【前期展示】
101歳を迎えたいまなお、美しいものを手に取り、自然と色彩への深いまなざしを持ち続けている志村ふくみ。今回は本展を機に構想・制作された作品2領も初公開され、貴重な機会となりそうだ。
◆特別展「志村ふくみ 百一寿 ―夢の浮橋―」
【会期】開催中~5月31日(日)
[前期]開催中~4月12日(日)/[後期]4月14日(火)~5月31日(日)
【会場】細見美術館(京都市左京区岡崎最勝寺町6-3)
【開館時間】10:00~17:00
【休館日】月曜(※5月4日は開館)、5月7日(木)
【入館料】一般2,000円、学生 1,500円
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