大阪から高速を飛ばしても1時間はかかる、和歌山県岩出市。コメや野菜を手掛ける農家も点在するのどかなこの田園地方に「Top 100 Best Vegetables Restaurants 2019」に初登場でアジア最高の17位を獲得したレストラン、ヴィラ・アイーダがある。
遠い道のりを超えても、ヴィラ・アイーダのテーブルへとたどり着きたいと思わせるその理由は、小林寛司シェフの一皿に供される、野菜への情熱である。ポタジエというには広すぎる畑は全部で4つ。夫婦ふたりで約130種類の野菜を栽培し、実家の稲作も手掛ける。
旬の野菜を供したり、オーガニックを標ぼうするレストランは珍しくない時代だが、小林シェフの向き合い方はまるで違う。種を蒔き、育て、旬を迎え、旬を終えた野菜が土に還るまでのあらゆる段階を、一皿に昇華する。地産地消やサスティナブルといった時世風の言葉には収まらない、野菜たちの命が最も輝くように考えられた独創的な料理が評判を呼び、国内外から多くのゲスト、ファンを引き寄せているが、現在はランチかディナー、1日1組のゲストのみ。ヴィラ・アイーダの予約が取れたなら、それは僥倖であり、羨望を得るといえるだろう。
「長谷川栄雅 六本木」で開催されている日本酒体験のアテ(肴)を創作するシェフは、中村孝則氏のキュレーションにより、3ヶ月に一度変わる。そして6回目となる今回、2020年10月から3ヶ月間限定で小林シェフによる酒のアテが供されることになり、注目を集めている。小林シェフの味に東京の「長谷川栄雅 六本木」で出合えるのだから。
「長谷川栄雅 六本木」の日本酒体験の様子。脚付き膳に供される「長谷川栄雅」の日本酒5種類と小林シェフ創作のアテが並ぶ。
モダンな店内の奥、茶室を思わせるスペースでの日本酒体験。「長谷川栄雅」の日本酒についてのレクチャーも兼ねており、日本酒の魅力を存分に堪能できる。
「栄雅 特別純米」と合わせるのは「ドライトマト 梅塩」。グラスの縁の梅塩を味わい、酒を口に含むと、梅の香りが広がる。きゅうりのピクルスはコショウやカルダモンの風味をまとい、ドライトマトの甘さと酸味の変化まで、驚きに満ちたアテとなっている。
「長谷川栄雅」の5種類の酒を楽しむ。
左から「栄雅 純米大吟醸」「栄雅 特別純米」「長谷川 純米大吟醸 三割五分」「長谷川 純米大吟醸 五割」「長谷川 特別純米」
ヴィラ・アイーダの畑で端正込めて育てられた野菜たちが、「長谷川栄雅」の日本酒5種類にマッチするアテとなり供される特別な3ヶ月間。和歌山のヴィラ・アイーダの味わいを「長谷川栄雅 六本木」で経験できる、この貴重な邂逅を目撃してほしい。
朝や午後、畑の世話をして、店の仕込みをする。ゲストをもてなししたあと、収穫した野菜を保存用に調理したら、また畑に出るというような生活。「普段は和歌山での生活を大切にしていますが、今回のオファーはすぐお引き受けすることを決めました」と小林シェフ。
送られてきた日本酒を飲みながら、イメージを作り上げていったという5種類のアテ。左から順に日本酒と合わせて楽しむ。
上段左から「栄雅 純米大吟醸×黒豆蜜煮」「栄雅 特別純米×ドライトマト 梅塩」、下段左から「長谷川 純米大吟醸 三割五分×柚餅子クリーム」「長谷川 純米大吟醸 五割×かぼちゃ みりん 七味」「長谷川 特別純米×玄米 酒粕 生姜」。
◆長谷川栄雅 六本木「日本酒体験」(要予約)
東京都港区六本木7-6-20 1階
料金:5,500円(税込)(1名)※1組4名まで。予約は公式サイトから。
◆Villa AiDA(ヴィラ・アイーダ)
和歌山県岩出市川尻71‐5
1日1組のゲストのみ、予約は2カ月前の1日から受付。詳しくは公式サイトへ。
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