いま知っておきたい日本ワイン

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2019.6.7

9. 北海道・余市から品種を超えてテロワールを表現する「モンガク谷2017」

日本国内で栽培されたブドウを100%使用して国内で醸造された「日本ワイン」が目覚ましい進化を遂げ、世界から耳目を集めている。覚醒し始めた「日本ワイン」がパラダイムシフトを起こす中、3人のワインオーソリティーが今、経験すべき12本を厳選し、紹介する。

モンガク谷2017 モンガク谷2017

ワインエキスパート和田大が選んだ日本ワイン×モンガク谷2017

 

日本随一のピノ・ノワールの産地として脚光を浴びる北海道・余市。ワイナリーを志す者ならば誰しもが憧れるこの地で、あえて混植・混醸に特化したワイン造りに挑む男がいる。余市のテロワールに惚れ込んだモンガク谷ワイナリーの木原茂明は、品種を超えてテロワールを表現する混植・混醸でのワインメイキングにこだわる。

 

多品種を同じ畑に植え、同じタンクで仕込む混植・混醸ワイン―――それはカジュアルな「混ぜ物」ワインではない。オーストリア・ウィーンの混植・混醸ワイン「ゲミシュターザッツ」では、高級ワインも造られている。品種ではなく”Sense of Place”、つまり産地の個性を表現すべく、いまや世界中の生産者たちがこぞって混植・混醸に取り組んでいるのだ。そして混植・混醸ワインは、多様な食材やハーブ・スパイス等を巧みに使い、複雑で重層的な風味を生み出すコンテンポラリーな料理には抜群の相性を示す。

 

「モンガク谷2017」は、余市のテロワールが生み出すきれいで広がりのある酸を基調としつつ、黒ブドウによってもたらされる軽妙なタンニンが程よい骨格と立体感を演出している。そして混醸ならではの、複雑かつ一体感のあるアロマは幅広い食材・料理との相性をもたらす。

 

木原は大学・社会人時代、主将としてチームを率いたラガーマン。様々な個性・特性を持ったポジションが混然一体のチームとなるラグビーは混植・混醸と通じるものがある。混植の畑は、異なる品種であっても年数を経るごとに生育のリズムが同期し一体感が生まれるという。まだ畑の樹齢は若いが、木原の手によって今後どのような「チーム」が出来るか楽しみなワイナリーだ。
(敬称略)

モンガク谷2017
造り手:モンガク谷ワイナリー
品種:ピノ・ノワール、シャルドネ、ピノグリ、ピノブラン、ソーヴィニヨンブランなど7品種
特徴:自社ブドウ100%、混植・混醸、野生酵母による発酵。モンガクはアイヌ語。葦の木が多いところという意味。
価格:5,000円(税込/編集部調べ)
https://mongakuwinery.com/

Text by Masaru Wada
Photography by Michinori Aoki

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