いま知っておきたい日本ワイン

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いま知っておきたい日本ワイン

2019.5.29

5. ワイン醸造の天才・平山繁之が手掛ける先進的製法の「98wines ロゼ 2018」

日本国内で栽培されたブドウを100%使用して国内で醸造された「日本ワイン」が目覚ましい進化を遂げ、世界から耳目を集めている。覚醒し始めた「日本ワイン」がパラダイムシフトを起こす中、3人のワインオーソリティーが今、経験すべき12本を厳選し、紹介する。

98wines(キューハチワインズ) ロゼ 2018 98wines(キューハチワインズ) ロゼ 2018

ソムリエ 松木リエが選んだ日本ワイン×98wines(キューハチワインズ) ロゼ 2018

 

甲府盆地を見下ろし、正面に美しい富士山を望む甲州市玉宮地区にある98wines。段々畑を利用し重力に逆らわないワイン造りができる醸造所と、その隣の土壁と杉板の床が見事な日本家屋は、ワインショップとキッチンスタジオの機能を持つ。どの場所も細部に渡るまでエッジが効いている。

 

98winesのこだわりは地元のブドウ、甲州とマスカット・ベーリーAを使うこと。高齢で農業放棄せざるを得ない地元の農業を助けることを真剣に考える一方、世界最古のワイン造りを行っていた産地のひとつ、ジョージアから甕(クヴェヴリ)を2台持ち込み、日本家屋の床に埋めた。ジョージアには8000年前から伝わる甕を使った醸造法がある。今年はその方法で甲州を仕込んでみるという。そんな、遊び心あるワイン造りも忘れない。

 

今、ロゼワインは世界中で空前のブームだ。SNS映えするきれいな色や、気軽に飲めて料理との相性が幅広いのも人気の秘訣らしい。人気の続くロゼワインに平山はどう挑んだのか。それはマスカット・ベーリーAの赤ワインに白ブドウの甲州を房ごと入れるという、ユニークな製法だった。実はこの製法、プロの目から見て、かなり先進的なものだ。これをどう展開していくか。今後の動きが気になる。

 

ワインからは紫蘇の穂、若干のピンクペッパーなど、ライトボディでスパイスやシソを感じ、幅広く和食に合う。私の定番、シソ餃子に合わせるのもおすすめだ。

 

(敬称略)

98wines ロゼ 2018
造り手:98wines / 代表・平山繁之
品種:マスカット・ベーリーAと甲州
特徴:満を持して注目の醸造家が立ち上げたワイナリー。平山氏はメルシャンや勝沼醸造で長くワイン造りに携わり、ワインコンサルタントとしても活躍。その醸造技術と、感性、発想力のユニークさに、昨年設立したばかりだが、すでに世界各地からワイン・ジャーナリストらが見学に訪れている。
※取材撮影時、エチケットのデザイン途中だったため、実際には異なるエチケットになる可能性もある。
価格:未定。
https://98wines.jp/

Text by Rie Matsuki
Photography by Michinori Aoki

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