桝田酒造店桝田酒造店

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大人の美食の旅 富山市岩瀬編

2023.5.1

【日本酒「リンク8」を育む富山・岩瀬】 世界のフーディーが目指す美食の街




富山市岩瀬は今、フーディーに注目される美食の街と呼ばれている。なぜ岩瀬が? そこには仕掛け人と呼ばれる一人のクリエーターであり、「満寿泉(ますいずみ)」で知られる創業130年の酒造メーカー桝田酒造店5代目当主桝田隆一郎の存在があった。
今回は桝田が挑んだ、新たな日本酒「リンク8」の魅力と共に、フーディーたちが注目する岩瀬の街を紹介する。

 

明治期に賑わった街の風情を残しながら、
新たな息吹が街に賑わいを呼ぶ

 

富山空港からはバスで約30分、富山駅からだと車で約15分の位置に、富山県富山市岩瀬はある。江戸時代から北前船の交易で栄えた港町で、最盛期の明治初期に建てられた廻船問屋が建ち並ぶ歴史的な街並みが今でも残っている。北前船とは、日本海を経由し、現在の大阪から北海道へ商品を売買しながら航海する船であり、日本文化の発展に大きく寄与した海の経済動脈であった。岩瀬は当時の豊かな暮らしぶりを感じる建物を生かし、新たな感性とパワーが宿る魅力的な地である。






富山港展望台から富山湾を見る。 富山港展望台から富山湾を見る。

富山港展望台から富山湾を見る。



富山を代表する吟醸酒「満寿泉」をつくる桝田酒造店。 富山を代表する吟醸酒「満寿泉」をつくる桝田酒造店。

富山を代表する吟醸酒「満寿泉」をつくる桝田酒造店。



中央が、桝田酒造店の5代目当主、桝田隆一郎。 中央が、桝田酒造店の5代目当主、桝田隆一郎。

中央が、桝田酒造店の5代目当主、桝田隆一郎。



この岩瀬の蘇りを仕掛けたのは、「桝田酒造店」の5代目当主、桝田隆一郎だ。富山を代表する吟醸酒「満寿泉」の蔵元であり、“吟醸酒のパイオニア”とも称される人物。そして世界を行き来するクリエイターでもある。非常に気さくで面倒見の良い人柄で、桝田の果敢に挑戦する姿やその発想力に惹かれた若手料理人やアーティストは数多く、彼らが少しずつこの地に移住をして来ているのだと言う。そんな彼らのお店やギャラリーフーディー紹介は後にして、まずは桝田の本業である日本酒への革命についてご紹介したい。

 

シーバスリーガル×桝田酒造が挑んだ「リンク8」という新発想

 

日本酒をスコッチウイスキーの樽で熟成させる、そんなことを考えた人物はかつていただろうか。この革新的なコラボレーションは、桝田と2018年に「シーバスリーガル」の元マスターブレンダーのコリン・スコットとスコットランド・キースのストラスアイラ蒸留所で出会ったことから始まった。「シーバスリーガル」といえば、1801年に歴史をスタートさせたブレンデッドスコッチウイスキーの象徴的な存在。今回はそのシーバスリーガルのDNAである“アート・オブ・ブレンディング(ブレンディングの芸術)“の精神を日本酒づくりに取り入れ、そこで誕生したのが新発想の日本酒「リンク8(エイト)」である。



「リンク8」参考小売価格 13,200円(税込)。 「リンク8」参考小売価格 13,200円(税込)。

「リンク8」参考小売価格 13,200円(税込)。



スコッチウイスキー「シーバスリーガル」の熟成樽。 スコッチウイスキー「シーバスリーガル」の熟成樽。

スコッチウイスキー「シーバスリーガル」の熟成樽。



「御料理 ふじ居」の料理と並ぶ「リンク8」。 「御料理 ふじ居」の料理と並ぶ「リンク8」。

「御料理 ふじ居」の料理と並ぶ「リンク8」。



このコラボレーションを実現させるために、まずはウイスキー樽に合う酒米として希少な「山田穂」をメインに用い、数種類の酵母で発酵した原酒を作り出す。その中には「山田穂」の古酒もブレンド。熟成樽はシングルモルトの熟成に18年以上使用されたユニークな個性を持つ熟成樽など数種類のスコッチウイスキー熟成樽を使用。それらに10ヶ月間熟成をさせて、ブレンドすることで、複雑味のある特別な香りと味わいを生み出している。
またリンク8のボトルも大変印象的なデザインである。ロンドンを拠点とする著名なデザイン会社「NUDE」がデザインを手がけ、ボトル中央に描かれた「8」は日本の禅庭の波とスコットランドの古い装飾のケルティックノットを象徴している。さらにはスコットランドのキースから桝田酒造店のある富山市の距離が8,888kmも表していると言う。
それぞれの国の文化と技術がコラボレーションする、今までにない特別な製法で造られる「リンク8」は、国境や文化を超えた新たな世界観を作り出した。


廻船問屋の古民家をリフォームした「御料理 ふじ居」。居心地の良い空間と美味しい料理で時を忘れてしまう。 廻船問屋の古民家をリフォームした「御料理 ふじ居」。居心地の良い空間と美味しい料理で時を忘れてしまう。

廻船問屋の古民家をリフォームした「御料理 ふじ居」。居心地の良い空間と美味しい料理で時を忘れてしまう。




食材の宝庫、富山の旬の食材を心ゆくまで堪能する

 

この見事な味わいの「リンク8」を作り出した桝田酒造店のある岩瀬に、今なぜフーディーたちの注目を集めているのだろうか。その理由の一つが富山の地形にある。北アルプスの立山連峰から、天然のいけすとも呼ばれる富山湾までのダイナミックな地形は海の幸から農作物まで、豊富な食材を生み出している。この環境に加え、古民家を再生し、岩瀬の街を盛り上げようという気運に賛同した若手料理人やアーティストが集うことで、より結束が増してきたと考えられる。この中心にいるのが桝田酒造店の桝田隆一郎である。
ここには「カーヴ ユノキ」、イタリアン「ピアット スズキ チンクエ」、ブリュワリー「Kobo Brew Pub」、寿司「GEJO」、蕎麦「くちいわ」など魅力的なレストランが軒を並べている。



ギャラリー「GAKU ceramics」 ギャラリー「GAKU ceramics」

ギャラリー「GAKU ceramics」

 

富山県出身の陶芸家、釋永 岳(しゃくなが がく)の工藝ブランド「GAKU ceramics」のギャラリー。存在感のある色や風合い、触感が印象的な器やオブジェが並ぶ。岩瀬のレストランなどでも釋永の器は多く使われており、さまざまなジャンルの料理とも相性が良いことがよくわかる。




沙石 沙石

沙石

 

桝田酒造店の数十種類の「満寿泉」をセルフで唎酒できる「沙石(させき)」。ここでは定番から、ヴィンテージや限定品などが揃っており、自由に飲み比べができる。木桝を220円で購入し、唎酒した分だけ支払いをする方法と、15分1000円もしくは30分2000円(水1本付き)ですべての酒を自由に飲み比べする方法が選べる。




ふじ居1 ふじ居1

ふじ居2 ふじ居2

御料理 ふじ居

 

2019年8月に富山市内から移転してきた「御料理 ふじ居」。廻船問屋の建物をリフォームした店内と当時の風情をそのまま残した見事なお庭が、その風格を感じさせてくれる名店。ミシュランガイド北陸2021で2ツ星を獲得した確かな美味しさは、富山の旬の食材へのこだわりと、素材の美味しさを最大限に引き出す技術から生み出される職人技。「リンク8」をはじめ、桝田酒造店の日本酒との味のコラボレーションも見事。

 


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