クラフト・ジャパニーズ・ウィスキー 嘉之助蒸溜所を訪ねる鹿児島旅クラフト・ジャパニーズ・ウィスキー 嘉之助蒸溜所を訪ねる鹿児島旅

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鹿児島発、クラフト・ジャパニーズ・ウィスキー 情熱の郷

2024.5.28

クラフト・ジャパニーズ・ウィスキー 嘉之助蒸溜所を訪ねる鹿児島旅

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今、鹿児島へ世界中のウィスキーラバーの注目が集まっているという。鹿児島県はウィスキーの製造免許場13カ所と日本国内トップであり、ウィスキーの小規模蒸留所が増えているのだ。日本のウィスキーの高いポテンシャルが世界に認められてから数十年経ち、ウィスキー作りは新しいフェーズに入ったようだ。クラフト・ジャパニーズ・ウイスキーの現在地を知るために、今もっともその熱の高い地・鹿児島へ。嘉之助蒸溜所を訪ねる旅へと招かれた。

 



クラフト・ジャパニーズ・ウィスキーの現在地
嘉之助蒸溜所へ

 

鹿児島空港から、鹿児島県日置市の嘉之助蒸溜所へと向かうこと、車で約40分ほど。山あいの道を抜け、薩摩半島の西岸、東シナ海を望む小高い場所にその蒸溜所が見えてきた。日本三大砂丘のひとつ、吹上浜に面し、東シナ海が広がる。9,000㎡の広大な土地に各施設が配置され、スタイリッシュなコの字型の本棟の前に車がすべりこむ。

 

嘉之助蒸溜所は、クラフト・ディスティラリー、いわゆる小規模蒸留所と呼ばれる。2017年に稼働を始めた若い蒸留所だが、すでにウィスキー品評会で高評価を得るなど、世界で頭角を現している。




嘉之助蒸留所の全景。 嘉之助蒸留所の全景。

嘉之助蒸溜所の全景。日本三大砂丘のひとつ、吹上浜に建ち、東シナ海を望む最高のロケーション。吹上浜は全長約47キロにも渡る、国内で最も長い砂丘で、ウミガメの産卵地としても知られる。



本格的で、かつ、個性的
嘉之助蒸溜所の魅力

 

ここ嘉之助蒸溜所は、2017年に焼酎の名門ブランド、小正醸造の一部門から出発し、2021年に分社化したという出自を持つ。鹿児島と言えば焼酎の国。つまり蒸留酒の本場である。焼酎作りへの情熱がウィスキー作りへの情熱へと伝播していると言えるのではないだろうか。嘉之助蒸溜所は、焼酎作りで培った技術をもとに、クラフト・ディスティラリーだからこその個性を発揮したウィスキー作りをしている。

 

 

製造エリアに足を踏み入れると、まず外気温との差に驚かされる。麦芽と温められた仕込み水が合わさり糖化させる作業をしているため、製造エリアは温かく、ほんのりと香ばしい。さらに奥へと進むと、3基のポットスチルがある。小規模蒸留所でポットスチルが3基もあるのはめずらしいこと。よく見るとポットの上部、ネックやラインアームと呼ばれる部分の確度が、それそれ異なっていることに気が付く。異なる形状のポットを使い分けることにより、多彩な原酒作りが可能なのだ。


次に見学したのは、貯蔵庫だ。新樽とともに、シェリー樽、バーボン樽、またワイン樽を使用したものもあるとか。蒸溜所内には200樽。また、近くの閉校した小学校などを貯蔵庫とし、全部で約5,000樽を所有している。



3基のポットスチル 3基のポットスチル

3基のポットスチル。それぞれに上部の角度が異なる。



貯蔵庫内。 貯蔵庫内。

貯蔵庫内には眠りに就いたウィスキーがずらりと。



吹上浜を見下ろすバーでのテイスティング

 

吹上浜に夕暮れが迫るころ、見学の仕上げは、THE MELLOW BARでのテイスティングだ。カウンターの目の前には東シナ海、そしてテイスティング用に用意されたウィスキーが並ぶ。この日、テイスティングのナビゲーターは、嘉之助蒸溜所 社長の小正芳嗣氏。代表取締役とマスターブレンダーを務める。嘉之助とは、彼の祖父の名前。昭和50年代、第一次焼酎ブームをけん引した米焼酎「メローコヅル」の生みの親でもある。この嘉之助蒸溜所の土地も、もとはと言えば嘉之助氏が焼酎文化を広める場所として、取得していたものだったそうだ。

 

 

早速試飲をすることに。「シングルモルト嘉之助」「嘉之助 HIOKI POT STILL」「嘉之助 DOUBLE DISTILLERY」、そして嘉之助蒸溜所の源流とも言うべき米焼酎「メローコヅル」もグラスに注がれていく。「シングルモルト嘉之助」はほのかなスモーキーさと甘やかさが口腔に広がるのが特徴。「嘉之助 HIOKI POT STILL」は甘やかな焼き菓子や柑橘系のさわやかさも上品に表現されている。「嘉之助 DOUBLE DISTILLERY」はすーっと鼻腔にスパイスの香りが抜け、美しい甘苦さの余韻がエレガントだ。そして「メローコヅル」。先にテイスティングした3つのウィスキーにも負けない味わい深さ、まろやかさに驚く。



メローバーでのテイスティング メローバーでのテイスティング

THE MELLOW BARでのテイスティング。この日は3種類のウィスキーと、小正醸造のメローコヅルも合わせて試飲。



嘉之助蒸溜所 社長の小正芳嗣氏。代表取締役とマスターブレンダーを務める。 嘉之助蒸溜所 社長の小正芳嗣氏。代表取締役とマスターブレンダーを務める。

嘉之助蒸溜所 代表取締役社長およびマスターブレンダーの小正芳嗣氏。祖父・嘉之助のDNAを継ぎ、この地に嘉之助蒸溜所を開いた。


500年の焼酎作りの技を
ウィスキー作りを通じて世界へと表現する

 

ここは日本で一番、海に近い蒸留所である。「海沿いなので、スペイサイドやアイラのような、ピーテッドウィスキーも合うのでは?というアイディアもありました。でも、嘉之助らしいウィスキーってなんだろうと考えた先にあったのは、アンピーテッドウィスキーでした。ピーテッドの裏に隠れてしまう旨味を、嘉之助のウィスキーは表現したいのです」と小正氏。

 

小正氏は、小正醸造に入社後、焼酎造りに没頭し、かつ、海外進出にも力を入れたという。焼酎の輸出は、この20年間変わっておらず、その理由としては海外には焼酎というカテゴリーの酒がないため、販路の開拓には苦労したという。しかし、焼酎はウィスキーと同じ、蒸留酒だ。ウィスキーが世界言語だと言うなら、自分たちにもチャレンジできるはず。鹿児島は焼酎の国。500年の焼酎作りの技と情熱を、惜しみなくウィスキー作りに注ぎ、世界へと表現する。そんな気概を持つ嘉之助蒸溜所のウィスキーを知ることができた、鹿児島への旅だった。



嘉之助蒸溜所 嘉之助蒸溜所

小正嘉之助蒸溜所

鹿児島県日置市日吉町神之川845−3
099-201-7700
営業時間:10:00~17:00(ショップは16:30まで)
定休日:月曜日(月曜が祝日の場合は営業)、年末年始、その他臨時休業あり。要確認を。

※見学は事前予約制。見学希望日の1週間前までに申し込み要。見学料は1,000円(テイスティング込み)。詳細および申し込みは嘉之助蒸溜所HPへ。

嘉之助蒸溜所  HPはここをクリック



嘉之助ウィスキーを楽しむ、鹿児島市内最新アドレス

嘉之助蒸溜所の見学の後は、鹿児島市内へ戻って食事と合わせてウィスキーを楽しみたいもの。嘉之助ウィスキーの豊富なラインナップがうれしい2店を紹介しよう。


鹿児島へ来たらここは押さえておきたい本格バー
B.B. 13 BAR

B.B. 13 BAR B.B. 13 BAR

フェリーターミナルの近く、レトロなネオンサインが心騒がせる、B.B. 13 BAR。本格的なバーでありながら、食事目当てで訪れるゲストも多いという。嘉之助ウィスキーのラインナップも豊富で、ウィスキー以外にも、嘉之助のクラフトジンまで網羅。食事に合わせた飲み方なども相談できる。ここを知っていたら、食事も、お酒も外すことはない。

B.B. 13 BAR
鹿児島県鹿児島市泉町16−13 豊産業ビル 2F
099-223-4298
営業時間:18:00~翌2:00、日曜のみ18:00~24:00
定休日:不定休
B.B. 13 BARのHPはここをクリック



鹿児島の名門ホテルが誇るオーセンティックなバー
ザ セラー N バロン・ナガサワ

 


ザ セラー N バロン・ナガサワ ザ セラー N バロン・ナガサワ

鹿児島の名門ホテル、SHIROYAMA HOTEL kagoshima のメインバー。カウンターで気軽に、ソファ席でくつろぎながらと、楽しみ方はさまざま。嘉之助ウィスキーのラインナップも必見。

 

ザ セラー N バロン・ナガサワ
鹿児島県鹿児島市新照院町41−1 SHIROYAMA HOTEL kagoshima 4F
0570-07-4680 (ナビダイヤル)
営業時間:平日 17:00~23:00(LO 22:30)、土日祝 16:00~23:00(LO 22:30)
※営業日、営業時間は、状況により変更になる場合あり。要確認を。

ザ セラー N バロン・ナガサワのHPはここをクリック







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