2015年9月「SHYUNGA」春画展 永青文庫にて

2015.09.28

歌麿、北斎など日本を代表する絵師が描いた傑作春画ばかりを、国内外から120点も集めた日本初の本格的春画展が開催されます。

作品は全て無修正のオリジナルなので、R18指定、大人のための展覧会です。

 

 

大英博物館の春画展成功を受けて

2013年大英博物館で開催された「春画 日本美術における性と楽しみ」は3ヶ月の会期中、R16という異例の開催方法ながらも、9万人近い来場者を記録し大成功に終わりました。

その同じコンセプトでの日本開催を準備する中、日本国内の春画への偏見で開催会場が確保出来ないという逆風が吹いたのです。

土壇場で永青文庫理事長の細川護煕元首相が「義侠心」で開催を引き受け、今秋の開催が実現しました。

日本での春画の芸術的価値への理解の遅れと、先入観での拒否反応を残念に振り返るのは、春画展日本開催実行委員会の浦上満氏です。

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一流絵師の力量の見せ所

浦上氏は、本展に何点も作品を提供するコレクターの側面もお持ちですが、美を見るプロである古美術商として開催に尽力された立場から「とにかく、この機会に本物を見て欲しい.」と力説されます。

鈴木春信、鳥居清長、喜多川歌麿、葛飾北斎、安藤広重など、江戸時代を代表する人気絵師は、総じて春画の傑作を描いています。

春画は交合部分をデフォルメして描くという特徴があることから、自然な構図を無視した画面構成が必要で、それをまとめあげる卓越した画力が試される難しい画題なのです。

結果、腕のたつ一流絵師が競うように名作を描いたのです。

一方で、春画が幕府禁制品のアンダーグラウンドな出版物になると、かえって贅を尽くした高い技術を駆使した作品が作られ、センスが良く美しい一級のアート作品と呼べるものが数多く誕生したのです。

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おおらかな笑い絵は女性に人気

春画は「笑い絵」「わじるし」ともいい、当時は面白がって大勢で笑い合う楽しみ方をしたそうです。

江戸時代の人々の性愛に対するおおらかさが魅力的だと、大英博物館展は女性に人気が高かったと言います。

しかし明治以降、春画は美術館所蔵にしろ個人蔵にしろ、秘匿され表に出ない美術ジャンルになってしまい、本物を目にした事がある人はとても少ないのです。

今回の春画展で公開される一級の作品は、ポルノグラフィーではなくファインアートです。

春画へのタブー意識を持たずに「本物」を見られる幸運を喜び、性愛の歓びのアートを江戸流に笑って楽しんではいかがでしょうか。

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春画展 公式サイト

http://www.eiseibunko.com/shunga/